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ファッション界の賢人が提案
コンサバ干場に着させたい
「ネイビースーツの松竹梅」

2016.4.3
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2016.4.3

企業努力で叶った! アンダー10万で買えるエコラグの3ピース

ファッション界の達人がコンサバを好む干場義雅編集長に着させたいアイテムを、価格帯別に紹介する新連載。『FORZA STYLE』だから実現した贅沢企画の第1回目にご登場いただくのはセレクトショップの雄、ビームスのクリエィティブディレクターを務める中村達也さんです。今回のテーマはビジネスマンの神器ともいうべき「ネイビースーツ」。3つの価格帯からそれぞれ、これぞ! という逸品をセレクトしてもらいました。

干場編集長(以下敬称略):干場に買わせるならコレ!というアイテムを、中村さんにはネイビースーツというお題で3体お持ちいただきました。松竹梅、と価格帯を3つに区切っているのですが、早速ぜひ見せていただきたと思います。

中村さん(以下敬称略):では、梅から行きましょうか。

カジュアルだったドレスシーンも、徐々にクラシックへと回帰している今シーズン。ビームスのオリジナルからはクラシックなスリーピースを提案。パンツもよりエレガントなプリーツ入りとなっている。スリーピース9万5000円/ビームスF ☎03-3470-3946

 

干場:こちらはビームスオリジナルのスリーピースですね。ズバリ、おいくらでしょうか。

中村:9万5000円です。3ピースでこの値段なので、これが2ピースになると約2万円くらい安くなる。この価格はかなりお買い得だと思います。

干場:比較的手を出しやすい、こなれた価格ですね。今のネイビースーツのスタンダードな形がこちらに凝縮されているのでしょうか。

中村:そうですね。今、ドレスクロージングにクラシック回帰への流れがきているので、3ピースを今シーズンは積極的に提案しています。3ツ釦の段返り、肩はパットを入れず芯地だけを入れて、肩パット抜きでもきちんと綺麗なラインが出るように作っているところがポイントです。体に自然に沿うシェイプになっており、フロントカットは流れるようなラインを描いています。

干場:イタリアではそれが最近の傾向ですか?

中村:イタリアのテーラリングではそれがスタンダードですね。この価格帯のものでも、ビームスのオリジナルはそこまでこだわって作っています。

干場:この価格でこの3ピースというのはビームスの圧倒的な企業努力によるものですね。

中村:世界的に見ても、このクオリティでこの価格というのは、おそらく見つからないと思います。

干場:スーツを作る時、最初はどこから始めるんですか? 生地選びからですか?

中村:洋服って実は副資材と言われる中身が大事なんです。中にどういう素材を使っているかによって仕立て映えがぐんと違ってくるんですね。プロは見るとひっくり返して、どんな芯地使っているんだろう? って見てしまうんです(笑)。それくらい見えない所が大事なので、そこにお金をかけるのが大前提なんですよ。

干場:なるほど。

中村:一番に中身を決めて、その次に生地を決めるんです。

干場:このスーツの生地の特徴はなんですか?

中村:モヘヤ混紡のウールです。

 

干場:細かい柄が入っていますね。

中村:さすが鋭い。これはマイクロチェックと呼ばれているもので、遠目で見ると無地なんだけど近くでよく見ると柄が入っているという生地です。以前は無地のネイビーが多かったのですが、最近はこのように表情があるものが増えてきています。

干場:今、中村さんがお召しのスーツもそうですね。

中村:これはデニムブルーですね。デニムっぽい色合いのものですが、デニムではなくシルク混のウールがこのような表情を生み出しているんです。最近はべたっとした無地よりも、ちょっと組織感があって遠目では無地、近くで見ると柄が入っている、というさり気ないものがイタリアでも人気なんです。色は、以前のミッドナイトネイビーではなく、やや浅めの色のものがおすすめです。

干場:今の主流は深い色味のネイビーではないんですね。

中村:薀蓄を話し出すと長くなってしまうんですが(笑)。

干場:ぜひ聞きたいです、お願いします。

 

中村:日本はネイビーのスーツが昔から定番ですよね。今でこそこのような浅いネイビーも多いですが、以前は圧倒的に濃紺が主流でした。でも濃紺、所謂ミッドナイトブルーと言われるようなネイビーは、イタリアではフォーマルの色なんです。ですから昼間、ビジネスシーンで着るものではないんですね。日本のビジネスマンが濃紺のスーツをイタリアで着ていると、今日、パーティかなにかあるの? って聞かれてしまうんです。さらに日本ではネイビーを通り越し、黒いスーツを着ますが、これはインターナショナルではまったく通用しないんですよ。黒いスーツをビジネスで着るっていうのは日本人とドイツ人だけなんです。

干場:面白いですね!

中村:日本でもこういう明るいネイビーが出てきたというのは、ある意味ヨーロッパの感覚に近づいてきた証かな、と思います。

干場:因みにこちらの3ピースはどちらで作られているんですか?

中村:ビームスのスーツは3つの工場で作っているのですが、3つともそれぞれ特徴があって、この3ピースはその中でも柔らかい雰囲気のスーツ作りが得意な工場で作っています。

干場:今日お持ちいただいたスーツは僕に勧めていただいているんですが、40代のビジネスマンにぴったりですね。

中村:スリムに作られていますが、よく若者が着ているようなピタピタのスーツとは違います。きちんと胸周りのボリュームが出てナチュナルなシェイプを施しているので、大人っぽい抑揚の効いたシルエットが出るようになっています。

干場:スタイルがよく見える効果もありますね。

中村:着丈も今のトレンドから鑑みると短めがいいんですが、お尻が半分以上出るようなショート丈は年齢相応じゃないですよね。パンツもスリムフィットでピチピチのものはちょっと無理があるかな、と。

干場:中村さん、スリムな体型でいらっしゃいますが、あまり細すぎないものを着るようにしていらっしゃるんですか?

中村:痩せている人はちょっと余裕があるサイズ感のものを着るほうがシルエットが綺麗に見える。痩せている体型をカバーしてくれるんですね。逆に太っている人はぴったりしたものを着た方ほうがいい。これは勘違いしている方が多いですよね。イタリア人で恰幅のいい方なんてフロントのボタンを留めていると(ジャケットのボタン横に)シワが出るでしょ? あれがスリムに見せるんです。日本では、そのシワが嫌だという方が多くて、シワが出ない緩いものを着るので、だぼっとしたシルエットが余計太って見せているんです。

干場:なるほど、体型が気になる40代にとってはサイズ選びの参考になります。
さて次のスーツなんですが、どちらのものでしょうか?

ダブルブレストが力強い

竹の逸品に続く。

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