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FASHION 干場に着させたい松竹梅

モテるサングラスはどれ?LEON 前編集長が教える「サングラスの松竹梅」

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フォーナインズ3段階式クリップオン & DITAとトムブラウンのコラボ

ファッション業界の賢人が編集長・干場に買わせたい逸品を価格帯別に紹介する連載第4回。ご登場いただくのは干場とも旧知のLEON編集長・前田 陽一郎氏です。お題はサングラス。普段からサングラスを愛用して顔の一部ともなっている干場が納得する逸品が登場するのか。今回は意外な展開が…!?

干場編集長(以下敬称略):FORZA STYLEの読者とも年齢層の重なる「LEON」の編集長を務める前田さんに今日はサングラスをお持ちいただきました。さて、どんな松竹梅が登場するでしょうか。

前田氏(以下敬称略):実は、松竹梅になってないんだよ、ごめんね。

干場:え、そうなんですか!? それはまたどうして……。

前田:今回ね、松と梅だけなの。竹がない。今、サングラスで勧めたいのって、価格が二極化していて、竹が見つからなかった。

干場:それはそれで面白いので、ぜひおうかがいしたいと思います!今回、これらをリコメンドした理由は?

前田:サングラスというお題をいただいた時に、まず浮かんだのが“レトロな感じ”ということ。ものすごく漠然とした言葉なんだけど、レトロってクラシックとは違うんですよ。レトロっていうのはある一時代に、その時代を象徴するなにかがあったもの。クラシックっていうのはトラディショナルと混同される言葉であって、例えばファッションに於けるクラシックスタイルというのは、今に綿々と続くものなんだと思います。

干場:ではレトロっていうのは、取り残されたものっていうことですか?

前田:取り残されたのではなくて、その時代性を象徴するキーワードだったりイメージだったりするものなんです。今回のお勧めするサングラスは、80年代の前半から半ばくらいまでをイメージさせるものになっています。

干場:その時代を代表するモデルというのは、どんなものなんでしょうか?

跳ね上げ式では初となるチタン製で大幅な軽量化を実現。偏向レンズでサングラス使用時の快適性を追求した、技術力とデザイン力が融合した逸品です。メガネ3万8000円、クリップオン2万3000円/ともにフォーナインズ(☎03-5727-4900)

前田:まず跳ね上げ式のクリップオン。これって80年代の中頃にすごい流行ったんですよね。ロバート・レッドフォードが映画の中でかけていた……。というのが印象的なんじゃないかなと思います。それからカラーレンズも、70年代後半くらいから80年代の前半にかけて流行りました。ピンクやブルー、イエローのレンズのものが多く見られたと思います。そして、80年代半ばから後半、一大センセーションを巻き起こしたのが、この小さ目レンズ。

干場:僕、アルマーニのこれ、持っていましたよ!

前田:この頃、ハウスマヌカンスタイルが流行って、真っ黒い小振りのレンズのものを掛けていたんですよね。で、ご紹介する最後のサングラスはベースがキャッツアイのものです。50年代後半から60年代のデザインが基なんだと思うんですが、天地が深いんです。これは70年代の後半から80年代半ばにかけて新しい技術も出てきて、様々な面でサングラスがまた一段と新しい試みで登場した時代にも見られたデザインです。

干場:今日、前田さんがお召しのパンツも80年代っぽいじゃないですか。ジョッパーズにプリーツ入りで。おっしゃっているレトロ感というのを意識されていらっしゃってのことですか?

前田:そうですね。洋服って80年代にジョルジオ アルマーニがソフトスーツを作ったあの一大センセーション以降、もうローテーションの時代に入っちゃっているんですよ。60年代の前半まではイタリアでは基本的にオーダーでした。ところが70年代後半になると、75%が既成服になってくるんです。たった十数年の間に洋服には革命が起こっている。80年代になるとモードの時代がやってきて既製服が当たり前。では、既製服で新しいデザインが生まれたかというと、実は、ダウンジャケットというアウトドアウェアが70年代にパタゴニアから登場して、その一大革命以降は、80年代にアルマーニがソフトスーツを作ったことが最大のセンセーショナルな出来事だったんです。それ以降は、ぐるっと一回りしていて、テクノロジーが新しくなったところで、少し懐かしいものを皆が求め出したのではないかな、と思います。今ってハイテクノロジーなアウトドアウェアがある一方、クラシックなスーツも復調し、と同時にナイロンスーツも人気が出てきていますよね。洋服は色々な選択肢があると思うんですが、そこに時計やシューズやバッグやアイウェアで少しレトロなもので全体のバランスを取っているような気がします。ホッシーが着けている時計だって、70年代にデザインされたものだよね?

干場:そうです。1972年にデザインされたものです。

前田:そういう時代のものや、例えば今日、僕がしている時計も70年代にデザインされているんですよ。これは僕らのちょっと上の世代の人たちの間でダイビングが流行った時に一世を風靡したんですよ。

干場:なるほど。ところで前田さんは普段サングラスはかけますか?

前田:今日みたいな恰好のときはします。白いTシャツって、かっこよく着られれば、一番かっこいいアイテムなんですよね。それはスーツと同じで。Tシャツとスーツは同格。腕を入れるだけで完結するので、シルエットと素材以外で勝負するところがない。それが、かっこいい人とかっこ悪い人の何が違うか? ベーシックな洋服を纏う時に最も大切なのが、顔周や靴になってくるんです。だから髪型やアイウェアが大切になんです。アイウェアに時代感がぐっと凝縮されていると、白Tシャツだって俄然おしゃれに見えるんです。

干場:なるほど。メガネは顔の一部です、もんね。ところで今回は竹の価格帯がないということですが、これも時代性に関係しますか?

前田:3万円くらいのものと6万円くらいのものに分かれてしまいました。もちろん、この間にないわけではないんだけれど、新しい素材や技術を取り入れたものを選んでいくとそうなってしまうんです。また高価格のものは着け心地が違うんです。例えば、このフォーナインズのものはクリップオンですがチタンを使っているんです。

干場:これは松のフォーナインズですね。おいくらでしょうか? これ、今までのフォーナインズの逆アールヒンジを踏襲しながら、素材にこだわっているんですね。

前田:これはベースとクリップオンを足して6万1000円になります。このクリップオン、今まで2段階だったんですが、これの凄いのは3段階になっているところ。クリップの形状も面白いんですよ。

干場:確かに。これは高級感漂っていますね。

前田:もう一つ、松があって、これはトムブラウンのものなんです。

キャッツアイ風のブロースタイルのサングラス。ゆったりめのブロウラインに対し狭めのブリッジを合わせたサイズ感が、顔の印象をぐっと引き締めてくれる。6万8000円/DITA トム ブラウン アイウェア(ステップ インク☎03-5774-4551)

干場:おいくらでしょうか?

前田:6万8000円です。

干場:トム・ブラウンの意匠がきちんとありますね(イヤーパッドのトリコロール部分)。やはり自身の意匠は残すんですね。

前田:これはDITA(ディータ)が作るトムブラウンのアイウェアなんですが、とても凝った作りなんです。

干場:これはメイドインジャパンなんですね。

前田:そう。アルマーニ以外はすべてメイドインジャパンで、福井県の鯖江で作られているんです。鯖江のいいファクトリーは、ほとんど国内外の高級ブランドに抑えられているんです。

干場:(テンプルを見て)綺麗な角度ですね。

前田:この内側に向かっているのって、通常のものに内側から削りをかけなくてはいけないという、ひと手間ふた手間かかっているんです。あとこのテンプルの内側に地金が見えてるのがわかるかと思うんですが、これにデザインが施されているんです。

干場:これはすごい凝っています! 金属の上にプラスチックを巻いているんですね。

梅のサングラスはこちら



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