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FASHION ー 松竹梅

ファッション界の賢人が提案!干場に着させたい「松竹梅」

LEON編集長×干場義雅「ナイロンスーツの松竹梅」

2017.4.18
2017.4.18

ハイテクと上質がキモ! ラグスポスーツの最新版

ファッション業界の賢人が編集長・干場に買わせたい逸品を価格帯別に紹介する連載第12回。今回、ご登場いただくのは雑誌『LEON(レオン)』4代目の新編集長、石井 洋氏です。お題はナイロンスーツ。干場とは『LEON』編集部在籍時以来の仲良しという石井氏が薦めるナイロンスーツの中から、干場のお眼鏡に適う逸品は登場するのか!?

干場編集長(以下敬称略):今日は雑誌『LEON』の編集長、石井くんにお越しいただきました。石井くんとはLEON編集部在籍時代、一緒に働き、それからの仲です。今回はテーマも石井くんからの提案で決めていただいたので、とても楽しみです。ということで、本日のお題は……?

石井氏(以下敬称略):今日は、シャカシャカスーツを持ってきました。いわゆるナイロンスーツです。

干場:ところで、なぜシャカシャカスーツにしたんですか?

石井:今までのこの連載を拝見して、皆さんいろいろ提案されているのですが……。クラシックなものやスタンダードなものは結構出てきていますよね。そこで『LEON』でもさまざまな提案をしてきているんですが、最近、注目しているのがシャカシャカスーツなんです。最近の表紙にも登場させました。これからの時季、春から夏前までに丁度良いんですよね。それから、オヤジ世代は特にアップデートする気持ちを忘れちゃいけないと思っていて。

干場:それはオヤジでも、いつもクラシックなスーツばかり着ていてはいけないってこと?

石井:それはそれでとても大事なのですが、トピック的に面白いな、と思っているのがシャカシャカ素材って呼んでいるナイロン素材のスーツなんです。基本的に形はいわゆるスタンダードなスーツとそれほど異なるものではないんです。

例えば「スーツを新鮮に見せる」となったときにラペルが極端に細いとか、ディテールに凝り過ぎているものって、大人が着るものとしてはトゥーマッチだと思うんです。アップデートの方向がちょっと違うな、と……。

ベースは普遍的なスーツスタイルに近いのに素材が新鮮っていうのが、大人には馴染むんですよね。シックさもあるし。次の時代のオヤジ像として、フットワークが軽やかでしなやか、っていうのを提案していこうと思っているんです。

干場:それは、今までのオヤジが重かったってこと?

石井:そうなのかもしれませんね。時代的にも、今は重厚長大というより、スポーティな雰囲気の男の人のほうがカッコいいと思うんです。

干場:モテるオヤジって、『LEON』ではもう16年やってきているわけで。その中でやはり変化してきたってことですね。

石井:男の人も少しずつ軌道修正して、時代にフィットさせていかないといけないと思うんです。あの頃、自分が一番モテていた時代に止まっている人って、格好良く見えないんですよね。

干場:確かに! バブル時代の一番輝いている時代の工藤静香さんのまんま止まっちゃってるような人って、男女問わずいますからね〜(笑)。

石井:前髪がクワガタみたいな人、いなくなりましたもんね〜。

干場:いたね~、めちゃくちゃね。水商売の方とか。今はさすがに地方でも見かけなったけど……。で、男性にもそういう人がいる、と。

石井:働いてしっかり稼いでいるオヤジになってくると、あまり周りの人も、「その格好ヘンですよ」とか言わなくなる。そうすると、裸の王様状態になってくる。それって一番怖いことなので、オヤジもアップデートが必要となってくる。そんな方たちも取り入れやすく、時代にフィットして、しなやかなオヤジ像というものを演出するということになったときに、このナイロンスーツがしっくりくるなぁと。

ひと昔前だと、縫製技術が追い付かなくて、いいものがなかったんです。でも今、格段によくなっている。ナイロンスーツは、少しスポーティでモードっぽい匂いも漂わせながら、ラクに着られる。ストレッチも効いているし。一世を風靡したプラダのナイロンスーツってニール・バレットが作っていたものですよね。僕の記憶だと、干場さんもプラダのナイロンスーツを着ていたような……。

干場:着てた、着てた。ベージュと黒。懐かしいね〜。

石井:それを着ていた当時、かなり斬新でしたよね。今は素材開発が進んできて、ニール・バレットを始め、様々なブランドから登場してきているんです。Tシャツにデニムよりはきちんと見えるし、クラシックなスーツほど重い感じにならない。カバー範囲が広いのもナイロンスーツの魅力なんです。

干場:では、それらを踏まえて、まずは最初の梅のご紹介をお願いいたします。

石井:まず一着目は、エストネーションのナイロンスーツです。

ややゴージが低めの細いラペルのジャケットにドローストリングパンツのスポーティな組み合わせ。汎用性の高いブラックのセットアップ。ジャケット3万7000円、パンツ1万8500円/エストネーション(エストネーション ☎03-5159-7800)

 

干場:セレクトショップのオリジナルからもこういうのが登場しているんですね! (触って)これ、かなりストレッチ効いてますね。

石井:そうなんです。生地にシボ感があって、シアサッカーみたいなんですよ。清涼感があっていいですよね。春夏に着るのに良いんです。

干場:確かに、さらりとした肌ざわりで良いですね。これは黒ですか?

石井:黒ですね。マイクロチェックのような織柄が入っています。ラペルが少し細めの2Bです。ドローストリング仕様ですね。ベルトなしで着てもいいですし、ベルトをするとキレイめな着こなしになります。

干場:オリジナルで、よく出来ていますね。これで幾らなの?

石井:ジャケットが3万7000円で、パンツが1万8500円です。

干場:トータルで5万5500円っていうのは買いやすい。シワを気にしなくていいっていうのも魅力ですよね。

石井:シワもそうですし、扱いやすいというのも良いんです。

干場:でも、こういうのを手に入れても合わせ方を間違えると格好悪くなっちゃう。普通のネクタイとシャツとか合わせてはダメだよね。

石井:一番簡単なのは、インナーにカットソーを合わせるコーディネート。クルーネックがいいかな。

干場:合わせる靴は、どんなのがお勧めですか?

石井:スニーカーです。ローテクの白スニーカーがいいですね。真っ白。

干場:それにしてもこのスーツ、よく出来ていますね。

石井:そうですね。昔だったら縫製の技術が追いつかなくて、こういうパンツは穿いたときに裂けちゃったり。良い素材が出てきたことで、こういうレベルのものが手頃な価格で作られるようになったんですよね。

干場:確かに。それでは、次の竹をお願いします。

石井:2着目は、ジュンハシモトのナイロンスーツになります。今、飛ぶ鳥を落とす勢いのブランドです。

2プリーツのパンツやジレといった組み合わせのクラシックなデザインを、ナイロン素材でモダンに落とし込んだ3ピース。ジャケット5万5000円、ジレ2万6000円、パンツ2万9000円/すべてジュンハシモト(ジュンハシモト 表参道ヒルズ ☎03-5414-1400)

干場:(色は)カーキなんですね。これ、前田さん(WEB LEON 編集長)着てなかった?

石井:着てました! ジュンハシモトってすごいアイデアに溢れているんですよ。裏も綺麗に作っていますし、メッシュの当て布付けていたり、裏地もストレッチ。イマドキなツープリーツでバンドもしっかりしているんです。

干場:こちらも2Bですね。ナイロンスーツでツープリーツって珍しいね!

石井:このプリーツは機能していなくて、見せプリーツですね。でも、ここでイマドキ感というかモダンさを感じさせますよね。

干場:なるほど、それがこのブランドの凄いところでもあるんですね。しかもジレ付き。

石井:そうなんです。ジレの背中部分はメッシュなんです。

干場:現代的なスーツだね! クラシックとは違う。

石井:でも、クラシックの替わりではない。クラシックも着られるけれど、こちら(ナイロンスーツ)も着られる、というのがイマドキのオヤジらしい。腕周りの内側もメッシュになっている。ジレの背中のメッシュと仕様が違うんですよ。

干場:これもストレッチがとても効いていますね。これで幾らなの?

石井:ジャケットが5万5000円、ジレが2万6000円、パンツが2万9000円です。

干場:トータルで11万円。

石井:このナイロンスーツの良さって、単品でも着やすいってことも挙げられます。僕が今日着ているナイロンスーツもボトムをリブパンツにしたのは、これ単品でも着られますし、革ジャンとかニットとかを合わせても、今っぽい感じに仕上がるからなんです。

干場:なるほどね。そして、松はどちらのものになるんでしょう。

石井:ニール・バレットのものになります。今日、僕が着ているものと同じものです。

グッチやプラダを経て、1999年に自身のブランドをスタートさせたニール・バレット。スポーティで着心地にこだわった服作りで人気のブランドの、代表アイテムのひとつとも言えるマットナイロンのセットアップ。ジャケット12万5000円、パンツ5万5000円/ともにニール・バレット

干場:石井くんのは黒で、こちらはネイビーなんですね。チェンジポケット付き。

石井:シャカシャカスーツの代表と言えば、やはりこのブランドです。ストレッチがとても効いていて着やすいです。これ、実はコートもあって、このパンツにコートにニット、なんて着方もできます。

干場:ちなみにこれで幾らなの?

石井:ジャケットが12万5000円、パンツが5万5000円です。

干場:18万円ですね。

石井:あ、きちんと松竹梅になっていますね。良かったです(笑)。ニール・バレットのものは、他のところのものと違うところがあるんです。少しパットが入っているんですね。これがよりきちんと見せてくれるんです。出張のとき、飛行機の中などもストレスフリーで着られていいんですよ。シワにもなりにくいし、ラクだし。ハグもしやすい(笑)。

干場:『LEON』っぽいね〜(笑)。軽くてシワになりにくくて、扱いやすくてハグしやすい。良いこと尽くし。

石井:裏地もしっかりしていますので、肌寒い時季から着られます。

干場:ニール・バレットってプラダから独立したときに一世を風靡して、シワ加工の革ジャンとかで人気が出たんだけど、下火になったときもあった。でも、また戻ってきて、今の時代のミニマルな着こなしとマッチしている。90年代のミニマルなバランスが気分なのかもね。

石井:最近の干場さんの格好も、今日みたいにミニマルなことが多いですよねぇ。

干場:そう。なんか、20年前のプラダ全盛期の頃の着こなしが気分なんだよね。20年経ってまた戻ってきた気がする。実は今日、僕が着ているのもニール・バレットなんです。

石井:このパンツ? 

干場:そう。実はスーツで持っているんです。だから今日は、ドンピシャだったの(笑)。ジャケットは2種類持っていて、パンツは同じものを2本持っている。パンツはもう1本欲しいくらい。

石井:マジッすか? 嬉しいですね! やっぱり、干場さんの欲しいもののような気がしたんですよ、ナイロンスーツって!

干場:時代の感覚ってあるよね〜。今、僕自身も重過ぎるクラシックスタイルっていうのは、ちょっとトゥーマッチな気がしてて。クラシックはもちろんベースで大好きなんだけど……。これくらい軽いのが着たい気分。いや〜、しかし同じようなものを選んでいるっていうのは、やっぱり同じ時代を生きてるってことだね。

石井:そうですね。驚きました! パンツとかも本当に便利ですよね。

干場:新幹線の中でもラクだし。どんなシチュエーションでもいける。この辺にワインがかかっても、パパッと拭けば大丈夫だし。手入れもラク。

石井:重要な商談、というようなシーンではクラシックスタイルがいいと思うんですが、それ以外はかなりカバーできるのではないかな、と。僕らが、なんとなく青山系って呼んでいるのが、こういうスーツにカットソーを合わせて、トム・フォードの黒ブチ眼鏡っていうイメージなんです。バックパックを持っている。銀座の人でもなく渋谷、原宿、中目黒や代官山でもない。で、時計がリシャール ミルだったり。そういうミックスしている人。

干場:オヤジとしての重みは必要だけれど、軽やかさも持ち合わせていないと、ってことですね。
時代を捕らえたセレクトですね。しかし、違う媒体をやっていながら、同じものをいいって思うって面白いね。

でも、ナイロンスーツってアイロンとかは気を付けなくちゃいけないんだよね。だから何着か持っていてクリーニングに出して、ローテーションで着るっていうのが理想。美味しんぼの山岡さんの制服みたいな感じ。

石井:干場さん、好きですよね〜。ルパンとか冴羽遼とかのアニメキャラ。

干場:そうそう、アニメキャラには、格好良さが凝縮してるからね(笑)。ところで、これからはどんな『LEON』を作っていきたいの?

石井:やはりこれからはフットワークが軽やかな人が勝ち抜いていく時代なんじゃないかな、と思うんです。だから、あ、この人足速そう!っていうような見え方をする人がいいんじゃないかと。そんなファッションの誌面を作っていきたいです。

干場:この人足速そう!?(笑)

石井:ずっしりどっしりという感じは、時おり出すのがいいんです。

干場:関係ないけど、僕、めちゃくちゃ歩くの早いよ。人の3倍ぐらい。ニュータイプのシャア的なね。僕について来れる編集部員いないもん(笑)。でも、確かに時代は変わっていくし、柔軟な方がいいよね。

では最後に、石井くんの今日のコーディネートを教えてください。

石井:ジャケット、パンツはニール・バレット、Tシャツはヘインズです。ベルトはクリオーゾ、時計はティファニーです。ピンキーリングはデビアスの3連のもので、その内の1本、ピンクゴールドのものは奥さんが着けています。バングルはスーマンダックワのものです。

干場:イイ感じ! 今日はどうもありがとうございました。

Photo:Riki kashiwabara
Text:Yoshie Hayashima
Edit:Satoshi Nakamoto

 

石井 洋(いしいひろし)

フリーランスエディター&ライターとして、男性・女性ファッション誌をはじめ、各種広告企画制作などに参画。その後、創刊から間もないLEON編集部に参加し、NIKITA編集部を経て再度LEON編集部へ。2017年3月より4代目LEON編集長に就任。

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