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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「離婚って!1年も経ってないじゃないか!」植物好きの田舎暮らしに憧れて「移住婚」してきた妻との別離に同情の余地なし!

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

政府が検討した「移住婚した東京都在住および通勤女性に60万円」案が国民から大批判を浴びて即撤回となったことは、婚活と少子化対策に迷走する今の日本を象徴する出来事ではなかったか。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、この件について次のように語る。

「未婚率上昇・少子化・東京一極集中といったそれぞれに大変な課題に対し、雑なプランを使って『束でやっている感』を出した愚策と言わざるを得ませんね。

国も必死なのでしょうが、税金の使い方への国民の視線がより厳しくなっている今、もっと別の切り口で多くの人が『生きていて良かった』と思えるようになる策を、そろそろご提案いただけないものでしょうか」

・・・・・・・・・・・・・・・

今回は、「移住婚の促進なんて、バカげた考えはやめた方がいい!」とご意見を寄せてくれた男性にお話を聞いた。

なんでもこちらの方は、田舎暮らしに憧れていた女性と結婚し、地元に呼び寄せた経験があるという。

「地元への移住サポートのボランティアをしている友人を介し、東京近県に住む女性と意気投合して結婚に至りました。でも、もう過去のことです……。長らく落ち込んでいましたが、最近はもう開き直ってネタとして喋っていますよ」

こう話すのは47歳の自営業者、仙田秀斗さん(仮名)。4人きょうだいの末っ子の秀斗さんは、結婚は早々に諦めて気楽な「独身貴族」を謳歌していたが、ある出来事を境に、急に結婚を意識するようになった。

「移住サポーターの友人から、移住を希望している東京在住の女性がいて、おまえのことを話したら会ってみたがっていると言われ、急に『ああ、俺にも、まだ女性と出会うチャンスってあるんだ』と思ったんですよね」

この女性が秀斗さんに興味を持ったのは、秀斗さんが植物とインテリア雑貨の実店舗、ネットショップを経営している点にあったという。彼女は観葉植物が大好きな会社員。かねてより田舎での「ナチュラルな暮らし」に憧れているという話だった。

「観葉植物好きは筋金入りで、彼女の東京のマンションの部屋には数えきれないほどのプランツがありました。うちの写真も見せたところ、『素敵なお家。どストライクです!ここで暮らしたい』と言われ、これはもう運命の女だなと思いました」

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意気投合した2人の結婚話はとんとん拍子で進んだ。半年間の遠距離恋愛を経て順調に入籍。

かしこまった式は行わず、彼女の地元と秀斗さんの地元の2か所でレストランウェディングを行ったそうだ。都会的でかわいらしい新妻に、秀斗さんの周囲の人もみな惚れ込んだという。

「結婚後もとても順調でした。僕は朝早く店に出ますが、妻は家のことをゆっくりやってから店へ。彼女はとてもセンスが良く、商品の陳列の仕方なども僕にない発想でやってくれました。おしゃれなせいか女性客も増えたし、彼女自身も『こんな暮らしが理想だった』と言ってくれていましたね」

店は地元駅の近くにあるが、秀斗さんの自宅は市郊外の田園地帯にある。昔、祖父が住んでいた家を改築した物件だ。間接照明が各所に配置された和モダンな内装は、新妻にもいたく気に入られた。

「妻は料理も得意で、近所の農家さんからもらう野菜も、見たことないようなおしゃれな料理に変身させていました。僕があまりに幸せそうなので、地元の友達からは『お前、なに人生激変させてんの?』と随分イジられました」

妻は庭いじりにも憧れていると言い、春には庭の改造もしたいし、自分でもハーブや野菜を育ててみたいとはりきっていた。もしかすると、この年で子どもの誕生も期待できるのでは?と秀斗さんは思いがけず手に入れた幸せが信じられなかったという。

「正直、急に視界が開けたというか、かなり有頂天でしたね。女性とちゃんとつき合うのも10年ぶりくらいで凄く新鮮で、毎日本当に楽しかったです」

ところが、楽しかったのは寒い季節の間だけだった。籍を入れて彼女が移り住んできたのは2月のこと。4月の終わり頃になって気温が上がってくると、新妻は秀斗さんの自宅周辺の環境に恐れをなすようになってきた。

「ゴールデンウィークあたり、急に気温が上昇し始めると、うちの周りには虫がたくさん発生します。また、雑草の生え方・伸び方は尋常じゃないので、都会に慣れている人はそりゃあ驚くかもしれません」

と秀斗さん。

「でも、植物が大好き、ナチュラルな暮らしに憧れていたと言いながら、田舎の虫と草に圧倒されて泣き出すとかって、どうなんでしょうね」

春の田舎で新妻を恐怖さ感じさせたものとは?「秀斗さん大好き」だった妻の態度を驚くほどのスピードで変えた地方への「移住婚」のリアルについては、後編にて詳報する。後編へ続く。

 

取材/文 中小林亜紀

PHOTO:Getty Images



 

▶︎後編に続く


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