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次期総裁?進次郎への「知的レベルが低い!」発言、あのジャーナリストが使った卑怯な言論テクニックとは!?

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

先週、小泉進次郎氏に「知的レベルの低さからG7で恥をかくのではないか。皆さん心配しております」と質問したジャーナリストが話題となりましたが、進次郎にセクシーにかわされ、サゲたつもりが、むしろ総裁選での勝率を底上げしてしまったようです。件のジャーナリスト氏、総裁選の他のライバル達から相当恨まれているのでは。

SNS界隈も、ジャーナリストご本人の知的レベルを心配するような状況でしたが、ちなみにあの方、保守・リベラルどちらの方面でも、やらかしたり距離を置かれたりしている御仁であり、SNSには「またアイツか」「やっぱりアイツか」「アイツだと思った」という、迷惑系ユーチューバーでも見るような反応が多く、それはそれでどうなのかと思いましたが、まあ仕方がないですね。

進次郎サイドも、政治家としての経験不足を突っ込まれるのは想定内だったろうし、回答も準備していたはず。流石にあそこまで礼を欠いた質問は想定外だったと思いますが、それをスマートに対処し「勉強して下さいよ」というジャーナリストの捨て台詞で対話が終わった、のですが……実はあの質問には「無礼」以前にもっとアウトな部分がありましたよね、ん?

かなり卑怯な言論テクニック

皆さんあまり話題にされていないんですが、

「知的レベルの低さから恥をかくのではないか」

「皆さん心配しております」

これらは言語表現における「卑怯なテクニック」そのものであり、フリーだろうが自称だろうが、ジャーナリストを名乗る人間が、記者会見の場で使うべき話法ではありません。

まず根拠を示さずに「知的レベルの低さ」と断定し、それをベースに質問している点。それは単なる「オマエの感想」であり、そもそも質問の体をなしていませんよね。流石にダメです。

私は別に「進次郎推し」ではないし、彼が頻繁に面白い発言をすることも知っています。サラリーマンが飲み屋で「あいつはアホだ」と言うのであれば、それはそれで仕方がないことだと思います。

でも記者会見場におけるジャーナリストがそれじゃ困るんですよ。酔っ払いと同レベルの質問なら飲み屋でやって欲しい。国民にとって時間の損失です。

さらには「皆さん心配しております」の皆さんって誰? そこに私も入っているの? 勝手に巻き込まないで下さいね。よく見かける表現で、例えばこんなのがあるんですが、

「呆れた暴言だ、世間は許しませんよ」

いや、呆れているのはオマエであり世間ではありません。これは自分の意見をあたかも世の中の総意であるかのように見せるテクニック。件のジャーナリスト氏の「皆さん心配~」はまさにコレなのです、全く同じ。ダメですよね。

他にもあるズルい話法

これまでフェイクやアジテートでは、事実に「意見」が巧妙に混入されてきました。例えば、

「些細なことでネット炎上、日本人はどれだけ不寛容になったんだ」

パッと見、事実に基づいているように見えますが、ネット炎上は一部の人間が起こす事案であり日本人とは関係ありません。個人の意見を「国民性の変化」という事実にすり替えるテクニックです。

ほかにも「反発は避けられない」「不安の声が聞こえる」「波紋が広がっている」なども同様に、事実っぽく見せた「誰か」の意見と言えるでしょう。

情報に接する際、「どの部分が事実かな、これは意見かな」と意識しながら吟味する。これは物凄く重要な作法であり、フェイクニュース社会に生きる私たちにとって、もはや装備必須のテクニックでもあります。難儀な時代なのです……。

ちなみに今回の騒動、個人的には、進次郎氏が「知的レベルが低い?? あぁ自己紹介ですか。ありがとうございます。では次の方」くらい盛大にかまして大騒動になって欲しかったです。ダメですか、ダメですね。

 

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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