「それまで地味で控えめで受け身の子とばかり付き合っていたから、妻が新鮮でした。妻はいつもパンツスーツで“女らしさ”を意図的に消しているタイプ。そういう女性が、僕の前だけ、可愛い服を着たり、アクセサリーをつけたり、髪を巻いたりすることにグッときた」
紀明さんの容姿は整っている。涼しい目元をしており、背も高く筋肉質だ。きっとモテるだろう。
「女性から告白されることは昔から多かったです。でも僕、積極的な女はダメなんです。交際する女性の条件は、僕より背が低く、年下というのが絶対条件。できれば男を立てるような女性が好き。でも、結婚相手は別でした。まあ、妻は僕より背が低いですが」
控えめな女性が好き……それは紀明さんが父親不在の家庭で育ったことが大きい。
「母と姉は医師、妹は音響の技術者で、みんな専門職で活躍中。僕だけ地味な会社員で、成績もパッとせず、見下されて育ちました。だから僕を崇めてくれる女性がいいと思っていた。でも、実際に付き合うとうまくいかない。依存されると重いと感じるし、レストランなどで“あなたと同じでいい”と僕に決断を委ねられるのも嫌だった。また、出がけに服やメイクが決まらないと待たされるのにもうんざりした」
妻との距離を縮めたのは、前に付き合っていた女性と別れてすぐのタイミングだった。
「決断が早く、努力を惜しまない彼女のことがどんどん好きになって行ったんです。そして、とんとん拍子で結婚。ウチの家族も“あんた、いい女性を選んだね”と喜んでくれました」
妻もベッドで積極的だった。「今までの女性との行為はなんだったんだ」とめまいがするほどだったという。
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