「LINEのやりとりでは、
『仕事のときと、ベットではぜんぜんちがう//』
『給湯室で〇〇さんと奥さんの話してるの聞いて嫉妬した』
『今度はナマでしようね』
『35歳なのに元気すぎ!笑』
など、生々しくてグロい内容が出てくる出てくる。ただでさえつわりで気分が悪いのに、余計に吐き気がしましたよ。
やりとりを遡ると、M美は26歳で独身実家暮らし、夫にめちゃくちゃハマっているような感じではなさそう……ということがわかっていきました」極度の怒りと不安でスマホを持つ手が震える。
目の前でいびきをかきながら寝ている夫をボコボコに殴りたい気持ちをどうにか抑え、浅い呼吸を繰り返しながら一つ一つ証拠を捉えていく。
©GettyImages
不倫されている事実はもちろんショックだが、それと同時に部下に手をだしている夫にほとほと呆れたようだ。
不倫相手と毎日顔を合わせ「今日会える?//」なんてことを会社内で繰り広げていたのかと思うと、はらわたが煮えくり返るほどの怒りを感じた。
深夜0時を過ぎた頃、さくらさんは自分のスマホを手に取り2か所に電話をかけた。自分の両親と義両親だ。
「……もしもし……、お義母さんですか?〇〇(夫の名前)が自分の部下と浮気してるみたいで。明日の19時、うちのアパートへ来てもらえますか?うちの両親にも来てもらって話をするのでよろしくお願いします」
義母は突然の出来事に「……え?どういうこと?」と驚愕した様子だったよう。
要件を伝えてすぐ通話を切ったため、義母からLINEで「明日、伺うね」とだけのメッセージが届いた。
というのも、さくらさんの実家と夫の実家はどちらも都内で、夫婦が住んでいるアパートから電車で40分程度の距離らしい。
夫には不倫の件は告げず「大事な話があるから今日だけは定時で帰ってきて」とだけ伝えたそう。
真正面から聞いても論点をずらしてごまかされるくらいなら、両親・義両親の前で問い詰めて反省させようという彼女なりの作戦だった。
定時で帰ってこいなんて言われたことがなかった彼は焦ったのか、18時半には帰宅したよう。
19時になって、自分の両親と妻の両親の訪問に戸惑う夫。3家族が顔を合わせるのは結納ぶり2回目で、まさかこんな形で集まるとは誰も想像していなかっただろう。
「お義母さんたちには昨日報告したけど、夫くんは部下と不倫しているようです。しかも私の妊娠初期から。だよね?夫くん?」
予想外の展開に言葉を詰まらせる夫。すぐ否定するかと思いきや、5分ほど黙り込み、誰も言葉を発しない殺伐とした空気が流れる。
義父はその空気をなんとかして息子を守りたかったのか、突拍子もない言葉を発したのだ。
「まぁ……さくらさん、男はそんな火遊びよくあるもんだし、僕はハングリー精神があるやつが数字を出すし出世していくと思ってるんだ。初めてみたいだし……どうか許してやってくれないか」
なぜすぐに謝罪の言葉が出てこないのか、夫と義両親に対し怒りが収まらなかった。
すると、ずっと黙っていたさくらさんの父親が口を開いたのだ。
「なに言ってんだ!あんたたちにも娘がいるだろ!自分の娘が妊娠中、旦那に浮気されたときも同じこと言えるのか⁉ぁあ⁉これから孫も生まれるんだろ!頭おかしいんじゃないのか!不倫を正当化すんじゃねぇよ!」
さくらさんの父に圧倒され、返す言葉がなくなる義両親だった。
「息子の不倫は火遊びだから許してやれ」とトンデモ発言をする義両親。この親にしてこの子ありなのかー。実家と義実家を巻き込んだ不倫騒動の末路については、後編で詳報する。
取材/文:錦城和佳