■これがミニバン? と思わせる安定した走行と小回り性能が魅力
オデッセイの国内登録台数は、2024年1月は約1000台、2月は約1180台、3月は1300台、そして4月は820台と、月販目標1000台に対して、ほぼオンライン。ラージミニバンというと、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」の成功が目立つが、10年選手のオデッセイもそれなりに売れているのだ。
そんなオデッセイの最大の魅力は、1695mmというミニバンとしては低い全高がもたらす走行性能だ。走行中にクルマが不安定になりやすいシーンでも、オデッセイは安定感がある。
アルファード/ヴェルファイアが安定していないというわけでないのだが、アルファード/ヴェルファイアは見た目通り、小型の船のような、ゆったりとした走り心地で、クルマとしての走行性能を比較してしまうと、反応がいいオデッセイのほうが、ドライバーとしては好ましい。これはなにも、クルマ好きだけが気づくことではなく、乗り比べてしまうと誰もが感じることだろう。
また2.0リッター直4のガソリンエンジンに2モーターハイブリッドを組み合わせたe:HEVもよくできている。車内に入り込んでくるエンジンノイズやロードノイズが非常に少なく車内は極めて静かで、動力性能も滑らかで過不足ない。
特筆すべきは小回り性能だ。オデッセイの最小回転半径はなんと全グレード5.4m。アルファードは全グレード5.9m、エルグランドは全グレード5.7mなので、オデッセイはダントツで優れている。
ただ、いわゆるミニバンの見下ろすような視界がないことや、廉価な2.4L直4ガソリン車が廃止されてしまったこと、エクステリアデザインの古さが否めなく優越感が少ないため、買う理由が乏しくなってしまっていることは弱み。
リアが車軸式(トーションビーム)サスペンションであるため、500万円超えの高額ミニバンにしては、リアからの突き上げショックが大きく、乗り心地が硬いとの指摘もあるが、筆者は硬いと指摘するほどのものではないと思う。