そもそも息子が女性として生きていきたいなんて、気配すら感じたこともない、とみのりさん。少し個性的な考え方をする子だと思うことはあったが、まさか心の性別が違うとは考えなかった。
いつからそんな願望を持っていたのか訊ねてみたが、「お母さんに理解できるわけないから話すだけムダ」の一点張りだったという。
「最初は事実を知ってショックなだけでしたが、会えなくなると、今度は孫の心配がどんどん大きくなって……」
息子たちは、肉体上の性別でいえば、男性2人で女の子を育てていることになる。そのことに対して、みのりさんは大きな不安を感じた。
「孫としたら、親2人とも男性で、2人とも血縁関係がないわけですよね。
これって、わけがわからないうちはいいですが、孫が成長して周りの家庭と違うということがはっきりわかるようになれば、どんな子でも悩むんじゃないでしょうか。
その想像が今現実になっているのではないかと思うとかわいそうで……」
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