■前後フェンダーが醸し出す異様さが魅力
インテリアも豪華だ。ウルティムには、カーボン調素材とレッド&グレーのステッチが車内前面に施されており、シートへ座れば、否が応でもスポーツマインドがくすぐられる。このほか、ナパレザーとアルカンタラのステアリングやアルミペダル、レザーシフトノブ、開発・車両評価を手掛けたテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏のサイン入りシリアルプレートも備わる。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/1200m/img_353de80a602e4721096305e0932da08350539.jpg)
エンジンは、1.8リッターの直列4気筒直噴ターボ。6000rpmで最高出力300PS(221kW)を発揮し、最大トルクはEDC(6速AT)モデルで420Nm、6段マニュアルミッションモデルでは400Nmを発生。レーシングマシンさながらのローンチコントロールも備えており、0-100km/h発進加速は5.7秒というパフォーマンスだ(ルノー参考値)。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/1/3/1200m/img_13476076497ec1047c0685037ffc1de126290.jpg)
また、1分間に20万回近く回転するターボタービンには、軸受けにセラミックボールベアリングシステムを採用。スチールと比べて軽く、硬く、摩擦は3分の2まで削減できるため、高温・高負荷な環境でのフリクションロスを大幅に低減でき、ターボの応答時間を格段に短縮させることができるという。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/1200m/img_e8c5c4bd234b4efb71dddf6a4e91d5d1157218.jpg)
筆者は、このウルティムの前段階のメガーヌR.S.の6速ATモデルに乗ったことがあるが、あまりの速さに、筆者程度の力量では楽しみ尽くすことはできなかった。そんな力量不足の筆者の運転操作でも、メガーヌR.S.は懐深く迎えてくれ、快速ツアラーとなって楽しませてくれた。その時点からメガーヌR.Sは、筆者の欲しいクルマランキング上位に居続けている。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/6/9/1200m/img_693acdd981f8a52dcddb8aed39d1842758946.jpg)
メガーヌR.S.ウルティムの車両本体価格は税込659万円、特別色を選ぶとさらに3~18万円アップとなる。シビックタイプRは税込499万円からなので、それよりも160万円も高い。それでも、量産FF車最速への挑戦と情熱の集大成であり、ルノー・スポールを冠する最後のモデルであるこの限定車は、間違いなく手に入れる価値のあるモデルだ。
Text:吉川賢一
Photo:RENAULT