滋賀県で新学期開始早々、臨時休校に追い込まれた中学校がある。理由はクラス分けのやり直しだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「生徒指導上必要な配慮ができていない学級編成になったためと説明がありました。考えられるのは、いじめなど重大なトラブルになった生徒同士が同じクラスになっていたなどでしょう。11クラス381人とかなり数も多いので、すべての事象に対処するのは至難の業でしょうね。あちらを立てれば、こちらが立たず…となるでしょうから」。
実はクラス替えに対するクレームは、学校側ではかなりポピュラーな話なんだとか。今回は現役の教師に聞いた、クラス替えに対するとんでもモンスターペアレンツたちの言い分だ。
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花村直さん(仮名・46歳)は、地方で中学校の教員をしている。担当は理科、年次も上がり、学年主任になることもある。昨年はまさに主任をしていたそう。
「4月のクレームの多くは、クラス替えですね。希望通りになっていなかったとか、〇〇ちゃんと一緒のクラスだと子供が学校に行きたがらないとか…。正直、すべての希望に沿うことは不可能です。学年の人数が多ければ多いほど、困難を極めます」。
直さんの中学は、地域の小学校2校の合同校になる。
「それぞれの小学校で起こったトラブルなど大きなものであれば引き継ぎがありますが、全部を追うことはできません。私たちの知らないところで起こっているトラブルもあるでしょうし。このため、過去トラブルになった生徒同志が同じクラスになってしまうなんてことも起こりうるんです。ここ数年は、クラス替えに対するクレームが増えたように思います。私たちが子供の頃は、クラス替えに不平不満を述べるなんてありませんでしたよね?」。
子供ではなく保護者同士の因縁にまつわるものもあるという。
「揉めたことのある保護者同士の人間関係にまで配慮しなきゃならないのは、本当に大変です。変な話、子供同士はそこまで揉めていないのに保護者同士のトラブルが激化するなんてことも結構あるんですよ。知ったこっちゃないっていうのが本音です」。
こういった保護者たちはたいてい、事前にクラス替えについて一言物申すそう。
「この子とは別のクラスにして欲しいとか、この親とはトラブルがあったので、別クラスでとか…そういう話をされる方が多いですね。ただ、我々もすべては叶えられないので、お話は一旦お伺いしますが、すべての要望には対応しかねるとあらかじめお伝えしています。それでもクラス替え後にクレームを入れてくるんです」。
去年出会った保護者は、まさにモンスターペアレンツだったと話す。