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【警報レベルで梅毒急増】妊娠初期に感染した38歳主婦を待っていた「夫婦決裂の日」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

厚生労働省が梅毒に関する『警告』を発している。梅毒が今、拡大を続けているのだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「梅毒は主に性的接触により感染します。口や性器などの粘膜や皮膚から梅毒トレポネーマという病原体が伝染ります。症状として性器や口内にしこりができたり、痛みや痒みを伴わない発疹などが代表的です。怖いのは、これらの症状が治ったとしても治療をしないと感染力が残ったままであるということ。知らず知らずのうちに感染させたり、感染する危険性があるということです」。

調査によると2011年ごろから報告数が伸び、コロナもあってか2019から2020年に減少したものの2022年はその数が一気に跳ね上がっている。

「梅毒を診察した医師には報告義務があるので、数字としては正確です。ただ、気がついていない人を鑑みるとこの数よりもはるかに多い可能性もあります。ちなみに2022年で10000件を超えています。年齢分布を見ると女性は20代が突出して多い結果に。男性は20〜50代にかけて多くなっています。男女比は男性7085件に対して、女性が3658件と男性の方が多くなっています」。

感染していることに気がつかないこともあるとは恐ろしい。特に妊娠中の感染は危険で、胎児にも大きく影響を及ぼすとされている。

「このため、妊婦検診では初期に梅毒の検査をします。血液検査によるものが基本です。もちろん本人に感染が見つかれば、パートナーにも治療が必要となります」。

誰にでも起こりうる梅毒。実際、妊娠初期の検査で梅毒が見つかったある女性に今回は話を聞くことができた。

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©︎GettyImages

立木恭子さん(仮名・38歳)は、妊娠6ヶ月だ。つわりも落ち着き、徐々に出産の準備に取り掛かり始めていると話す。

「食べていないと気持ちが悪くなってしまうタイプのつわりで、体重がかなり増えてしまって、ちょっとセーブするよう言われちゃっています」。

5つ下の夫との出会いは、婚活パーティーだったという。

「結婚したいという気持ちがないわけではなかったんですが、正直なところ結婚にメリットが見出せずにいました。ところが2年ほど前、母が癌になったんです。今は回復していますが、女で1人で私たち娘3人を育ててくれた母を安心させたいという気持ちが芽生えるようになりました。それで、婚活パーティーに行くことにしたんです」。

その頃の恭子さんに彼氏はいなかった。しかし、腐れ縁の男性が2人いたんだという。

「1人は高校時代の元彼、もう1人は仕事を始めてから出会った人です。なんとなくたまに連絡がきて、うちに招いて食事をして寝る、そういう関係です。金銭を求められるとかそういうことはありません。お互い、いい大人ですし、割り切った関係というか…。私、結構ダメ男が好きなんだと思います」。

仕事で疲れているとき、人恋しいとき、恭子さんから彼らに連絡をすることもあったという。

「なんとなく、ね。1人で寝たくない夜ってあるじゃないですか。どちらかときちんと付き合おうと思ったときもありましたよ。でもなんだかタイミングを逃してしまったという感じです。それで、ずるずる、本命彼氏もつくらず、きてしまったんです」。

そんな恭子さんだったが、婚活パーティーに繰り出すとすぐにいい人が現れた。

「仕事を続けたかったので、それを認めてくれる人であること、それから、生活費や家事育児は折半できる人であること。正直、私の条件はそれくらいでした。見た目も清潔感さえあればどんな人でもいい、そう思って行ったら、1度目で今の夫といい雰囲気になったんです」。

何度かデートを重ね、結婚を前提に付き合いを始めたという2人。しかし、その頃はまだ腐れ縁の男たちとの関係には終止符を打てていなかったんだという。

「彼らとは頻繁に会っていたわけではないから、わざわざ報告する必要もないかな?って。結婚するとなったら、伝えればいいと思ったんです」。

当時恭子さんは、3人の男の人と関係を持っていたことになる。

「夫とは早いうちに子どもを作ることでも同意していました。さずかり婚でもいいよねって。結局、結婚と妊娠、ほとんど同時期でしたね。それを機に彼らとは関係を切りました。それぞれ最後に会って、直接話しました。円満解決です」。

婚活を始めてわずか1年で結婚と妊娠。すべてが順調に進んでいるように見えたが妊娠初期の検査で驚きの事実が発覚する。なんと梅毒に感染していたのだ。

「びっくりしました。ただ、スクリーニング検査では偽陽性の場合もあるらしく、詳しく検査をすることになりました。何より驚いたのは、胎盤を通じて胎児にも感染してしまうこと。しかも治療をしないと流産や死産の可能性がかなり高くなるというのです。生まれてから障害が見られるケースもあると聞き、一気に血の気が引きました…」

後編】では、夫に梅毒を告白した様子やその後の互いの治療について詳しく話を聞いていく。

取材・文/悠木 律



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