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「私、普通の人より傷つきやすいので…だと!」自称HSPの部下に、先輩パートがブチ切れ!そのときに起きた「ありえない事態」

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麻里子さんは、インターネットでHSPのことを調べてみたが、何となく麻里子さん自身にも当てはまりそうな項目ばかりが目につき、結局のところHSPとは何なのかをきちんと理解することはできなかった。

「Kさんの教育係を任されて、いつも通りにレジまわりのことや在庫管理・品出しといった裏方業務などを、ほとんど私が教えました。『自分で自分が嫌になるほど繊細』だということだったので、言葉が厳しくならないよう努めたつもりです」

麻里子さんは、Kさんがレジに慣れるまで隣に立ってサポートをする必要があった。レジを操作する時、Kさんが自信がなさそうにすれば横から小声でレクチャーし、釣銭が少なくなれば棒金をほぐして補充してあげた。するとあるとき、Kさんが麻里子さんに対してこう言ったという。

「二条さん、急かされたり隣でせかせかと動かれたりすると頭が混乱してしまうので、動作を少しだけゆっくりしてもらってもいいですか」

麻里子さんは驚いて、「そんなにせかせかしてましたか?」と訊ねた。

「『というよりも、横で見られていると緊張して手が思うように動かないんです』と言われてしまいました。あなたのサポートなんだから見てるの当たり前じゃない?と思いましたが、言い返すことはできませんでした。傷つきやすいと聞いていたので、言い方がわからなくて」

対処に困った麻里子さんは、「では後ろで作業をしているので、わからなくて困ったらすぐに声をかけてください」とKさんに告げたそうだ。

「でも、やはりまだレジに慣れていないので、操作を間違えたりお客様をお待たせしたりしてお叱りを受ける場面がちらほらあったんです。するともう塩をかけたように落ち込んでしまって」

落ち込んでしまったKさんを、麻里子さんは必死で励ました。「大丈夫、誰でも最初は同じ。みんな通る道だから気にしないで」と。

「でも、それがまたダメだったようで、『私はみんなと同じではない』と言い出したんです。みんなが普通にできることが子どもの頃からできなかったと、それが本当に苦しかったと、バックヤードで子供の頃のつらかった話をたっぷり語ってくれました。

ここだけの話ですが、どのエピソードを聞いても、彼女が『普通の人』と違うとは思えなかったというのが本音です」

面倒だという気持ちを抱きながらも、Kさんをサポートし続けた麻里子さん。しかし、Kさんの「告げ口」によって、麻里子さんがスーパー内で培ってきた信頼が崩れ始めることになる。

次回、詳報したい。

Text:中小林 亜紀

▶︎後編に続く


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