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「何を話しても10秒で飽きる…」年末年始もスマホ三昧。ショート動画中毒にされた中高生を憂う、現役教師の「怖すぎる予言」

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文部科学省が昨年7月に公表した「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」では、SNSや動画視聴を行う時間が長いほど、各教科の平均正答率が低くなるという結果が出た。

全国学力テストは毎年4月に実施され、小学6年生と中学3年生の計約191万人が国語、算数(中学生は数学)、理科の試験を受け、その試験と同時に児童生徒の生活や学習状況を尋ねるアンケートも行われる。
今年は初めて、スマートフォンや携帯電話でSNSや動画視聴に費やしている時間を調べ、平均正答率との関係が分析された。

平日に1日「1時間以上」もSNSや動画視聴などを行う小学6年生は、全体の50.6%、中学3年生は全体の75.6%を占める。
そして「4時間以上」も動画を見続けている小6は全体の10.9%もおり、中3には15.4%もいるのだ。

教育現場の実態をよく知っている、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。
「4時間も動画を見続けられるのは『集中力があるのでは?』と勘違いしそうになりますが、彼らは4時間ずっと何か一つの動画を見続けているわけではありません。彼らは、15秒程度の『ショート動画』と呼ばれるものがどんどん目の前で移り変わっていくのを4時間見続けているので、『集中力』は養われるどころか、失われていっています」
その証拠に、動画視聴などのアプリの利用時間が長いほど教科ごとの正答率は低くなり、「4時間以上」は「30分未満」より、小6で17~18点、中3では13~19点も低い成績をマークしていた。小中とも、算数・数学の点数差が最も大きかった。

ちなみに2012年度から断続的に調査してきたゲーム(スマホを使ったゲーム含む)をプレイする時間が「1時間以上」である子どもは、小6では全体の75.7%、中3では全体の71%だった。

「ゲームが学力低下を招くと言われていたころよりも、もっと深刻な状態です」
そう言って顔をしかめるのは、長年進路指導部に所属し、子どもたちの学力に注視し続けてきた聡子さん(58歳・仮名)だ。

彼女が問題視しているのは、ここ5~6年ほどで壮大なブームとなったshort動画。

「2017年以降、子どもたちの集中力は著しく低下しています。ものの10秒程度で、目の前のものに飽きてしまうのは今や当たり前のことのようになってしまっています。物事を表面的にしかとらえられない子どもが増えたし、理解力もかなり落ちている」

聡子さんの言葉には、悲痛なものが含まれている。

「ゲームはどちらかといえば、はじめてしまうと、のめりこんで、やめられないという点に問題点がありました。でも今の子たちはその、『のめりこむ』ということができない。のめりこむまでに飽きてやめてしまうんですよ!信じられます?」

そんな危機的状況にあることを、教育現場で子どもを見ている人以外はあまり知らず、メディアなどはそんな問題を作り出すshort動画ブームをあおる。

「大変なことになっていくと思いますよ」

聡子さんの言葉はかなり重い。

後半では更に「short動画ブーム」の問題点を、現場の教員たちの意見を交えながらレポートしていく。

TEXT:八幡那由多

▶︎後編に続く


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