しかし、兄が景子さんに向き合うことはなかった。それどころか事態はさらに悪状況に陥っていく。
「両親はその頃すでに諦めていて、兄に何かいうことはありませんでした。そこに突然、いろいろ言う私が現れたので兄は怒鳴ったり、ドアを蹴ったりするようになったんです。癇に障ったんでしょうね。それでも私は粘り強く、直接ドアの前で話したり、電話やメールをしたり、時には手紙を出したりしましたが、状況は変わりませんでした。それをみて父と母からもう辞めてくれと言われてしまったんです」。
それでも恵子さんはなんとか兄に元に戻って欲しい、最低限の生活をして欲しいと行政に掛け合ったり、専門の病院やカウンセラーを探したりしたが、両親はそのすべてを断ったという。
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