「知りたかったのは専門家の話というよりは、実際に体験した人の声でした。みんながどうやって答えを出したのか知りたかったんです。検査を受けた人、受けなかった人、受けて陰性だった人、陽性だった人、出産した人、中絶した人…さまざまなコメントや想いがネット上には綴られていました。それを読むだけで涙が止まらなかった。本当にこのときは誰に相談したらいいのかもわからない、正解はあるのかまるでわからない、そして本当にどうしたらいいかわからず、暗闇の中に放り出されたような感覚でした」。
救いになったのは夫だったという。
「出生前検査は友達に気軽に相談できる話では毛頭ありません。いわば話ができるのは、夫だけ。夫がもし陽性だったら中絶すべきとか、何があっても産むべきとか極論をいうタイプだったら、もっと辛かったというか違う結果になっていたかもしれないと思います。もともと友達関係が長かったこともあり、私たち夫婦はたくさん会話をしてきました。そういうなかで子どものことだけでなく、命の意義とか障害者と健常者とか、そういうことに対する価値観みたいなものがある程度近くにあることを認識していました。だから、不安を吐露しやすかったというのもあると思います」。
ネットを見ると夫のような対応が普通ではないと感じたそう。
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