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「お風呂以外は常時、イヤホンでスマホ」スマホ中毒の高校生と使わせたくない母のイタチごっこ。根本解決はどこにあるのか?

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9月22日にiPhone15Pro、そしてiPhone15ProMaxが発売された。価格は159,800円からだ。生活に欠かせないスマートフォンの高騰は続く。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「日本では価格が上昇し続けていますが、アメリカでは価格変更はないそうです。円安、円の弱さがここでも強く感じられますね。今回の目玉となるスペックの変更は、やはりUSB Type-Cポートの採用でしょう。EUで2024年末までにスマホをはじめとした電子機器にUSB Type-Cポートの搭載が義務付けられたことが大きく影響していると考えられています。USB Type-Cポートは、これまでのLightningに比べると転送速度が非常に早いことが特徴です。充電速度もこれにより上がります」。

NTTドコモの社会科学系研究所であるモバイル社会研究所の調査によるとスマホの所有開始年齢でもっとも多いのは、12歳。中学校入学前に購入する割合が多いという。

「所有の理由は緊急時の連絡がもっとも多いそうですが、子どもにとっては連絡のための道具という感覚はないかもしれませんね。スマホは動画やSNSを観たり、音楽を聞いたり、ゲームをしたり…、ひとつで何役もこなしてくれる道具です。子どもにとっては連絡なんて二の次、になるのは仕方のないことかもしれません。さらに大人でさえ依存してしまうのだから、子どもであればその危険性はさらに高くなります。きちんとした制限を設ける必要があると説かれるのも無理はありません」。

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今回は、スマホの過剰な利用によってある病気にかかってしまった親子に話を聞くことができた。

上野一葉さん(仮名・45歳)は、中学生と高校生の子どもをもつワーママだ。

「2人とも中学に上がるときに、専用のスマホを買い与えました。当時の最新iPhoneを祖父母に買ってもらった感じです。中学時代はスクリーンタイムで使用時間をはじめ、休止時間、コミュニケーションの制限などをしていましたが、高校生になるとなにかと制限ができなくて…」。

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©︎GettyImages

 

一葉さんは今、高校生の息子のスマホの使い方について悩んでいると話す。

「中学生時代は使用時間を3時間に制限し、22時から7時までは使えない仕様にしていたんですが、高校生になってからというもの毎晩、毎晩、そんな制限されていた何もできない!と文句を言うようになっていて…」。

ある日、喧嘩の末、息子が暴言を吐いたという。

「そんなに縛られていたら何もできない!とかなり強い口調で言われました。クソ親、毒親、なんでも支配しようとする最低の親だと罵られました。私も言い返したので、結局大喧嘩に」。

キレた息子が自室の壁を思い切り、蹴る音が聞こえたという。

「思春期男子を育てる先輩ママ友にドアが外れるとか、壁に穴が開くとか聞いていたんですが、本当にあるんですね。うちの子は温厚なタイプで、思春期もあまりなくここまできたので、あまりの豹変ぶりに驚いたというところもあります」。

翌日、学校に送り出した後、部屋を掃除すると見事に穴が空いていた。

「やってくれたなと。その穴を見ているとなんだか情けない気持ちになってきました。たかだか、スマホの使用時間だけでこんなにもキレるなんて…」。

しかし、息子にとってはたかだか、ではないのだ。

「友達とのやりとりもゲームもすべてスマホでやっているのだから、スマホの使用時間=自分の生きる時間だというんです。制限されている時間に友達のやりとりに乗り遅れたら、翌日から気まずいとか、配信を見ていないと話題についていけないとか…。結局、夫と3人で話し合いを重ね、テストの点数を落とさないことを条件に使用時間を5時間、休止時間は0時から6時に変更しました」。

それでも息子は不服そうだったと話す。

「みんなの家は制限なんてないと言うんです。よそはよそ、うちはうちと言って聞かせましたが、そんなことで納得するはずもありません」。

それ以来、息子は家に帰ってきてもろくに口も聞かず部屋に行き、食事のときもこちらから会話をしない限り、ほとんど言葉を発することがなくなったという。

「思春期だし、しょうがない。そう思うようにしていました。それでもちょっと凹みましたね。こんな風になってしまうんだって…」。

そんなある日のことだった。一葉さんが残業をしていると、息子から学校の課題でスマホを使うから使用時間を解放して欲しいとLINEがきた。

「私はその日は残業をしていていたので、課題ならと解放しました」。

翌日もまたその翌日も息子は「課題があるから」とLINEがきたという。

「課題があることは嘘ではないにしても、そんなに毎日スマホが必要でないことはわかっていました。言い訳にしかなりませんけど、その時期、私の仕事がすごく忙しかったんです。だから無下に断って、また大荒れになったら面倒だなと思ってしまって…。結果、そのまま制限を解放し続けてしまったんです」。

この頃、息子はお年玉で高音質のカナル型のイヤホンを手に入れたという。

「スマホとイヤホン、このセットは息子になくてはならないものになりました。文字通り、四六時中イヤホンをはめて、スマホを使っていたんです。いいかげんやめなさいとは何度も言いましたが、聞いてるんだか聞いていないんだか…。使用時間の制限を解放したままだったので、それもよくないと元に戻したのもこの頃です」。

しかし、息子は何も言ってはこなかった。

「諦めたのかなと思っていたんですが、実はある方法でスマホの使用時間を無制限にしていたようなんです」。

四六時中イヤホンをしながらスマホを使う息子を上手に叱れなかった一葉さんだったが、あることがきっかけで息子の本当のスマホ使用時間を知ることになる。そのきっかけを【後編】では紐解いていこう。

取材・文/悠木 律



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