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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「子供がいるから詳しくなっちゃうんだよ」というダサすぎる嘘。昭和すぎるインスタ大好き課長が、20代OLたちに「心の底から疎まれている理由」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

まだまだ尾を引くジャニーズ問題。19日に取締役会が開かれ、その進捗が発表された。やはりジャニーズの看板をおろすことを検討しているようだ。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「妥当な決断でしょうね。性加害を行っていた人の名前を冠にし続けることへの嫌悪感は拭えません。先日の会見で東山新社長が名称存続の可能性を語りましたが、それが逆に世論との温度差を露呈させることになったことも事実です。名前を引き継げると思っていたこと自体、あまりにも甘いというか…」。

今後株式の取り扱いや被害補償の具体策、所属タレントや社員の将来などについて10月2日に詳細な発表があるそうだ。

「脇の甘さは所属タレントの対応にも現れています。例えば、木村拓哉さんのInstagramも世論との温度差から、炎上、そして削除に追い込まれた印象です。写真に添えた“show must go on!は、性加害を行っていたジャニー喜多川氏がしばしば、タレントたちに伝えていた言葉のひとつだとされています。最後までやり遂げなければならないという意味なので、被害者への対策や解決に向けてであったり、アーティストとしての自分自身に対してであれば、意味合いとしては通じます。しかし加害者の言葉を引用したところにデリカシーのなさが露呈してしまいました。

これは会社がジャニーズの名前を使い続けると言い放った構図と似ているようにも感じます。また一方で、聞かれたのがSNSリテラシーの低さ。天下の大スターであってもイマの空気感を読めなくなってしまうのですね」。

ご存知の通り、一度SNSやインターネットにアップしたものは決してなくならない。どこで誰がスクショしているかわからないからこそ投稿は慎重にならなければならない。ましてや今回のことは、世間を揺るがす大事件だ。受け手側がいかようにも判断できるような内容は、引用される可能性が高いと判断できなかったのだろうか。

世の中には、ITそしてSNSリテラシーの低い人間が数多くいる。今回はSNSネイティブではないがゆえに起きたあるトラブルについて話を聞いてきた。

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©︎GettyImages

神崎里奈さん(仮名・31歳)は、食品会社の広報部で働いている。

「今の会社は2年目です。古い会社なのでいわゆる昭和っぽい慣習がバリバリ残っています。そもそも年功序列が基本ですし、パワハラ的な発言もあちらこちらで聞かれます。カタチだけのハラスメント講習などは行われていますが効果があるかどうか…。そんな一般的な中小企業に勤めています」。

なかでも里奈さんを悩ませているのが、直属の上司だ。

「自分はそういう悪しき慣習とは無縁のイケおじ、イケ上司だと思っているんです。部下たちとフランクに付き合っている俺、トレンドの話ができる俺、見た目が若い俺…。なんかそういうのがダダ漏れてて見ててキツいっていうか…」。

上司は48歳。結婚もしていて、子どもが2人いるらしい。

「子どもたちからいろいろと言われているから、詳しくなっちゃうんだよというのが口癖。すごいですね、さすがですねと持ち上げ続けなきゃならないのが面倒です」。

特にSNSに関しては、手のつけようがないという。

「上司はInstagram、Facebook、X(旧Twitter)、TikTokすべてアカウントがあるということがまず自慢なんですね。この年齢でやれるのってすごくない?と普通に聞いてきます。それだけで若い世代についていけてるって思っちゃっているみたいで…」。

特に力を入れているのがインスタだったという。

「できれば上司とインスタ交換なんかしたくなかったんですが、私が入社したときには部内みんな交換していたんでどうしても断れなくて。しかたなく、サブ垢をシェアしました。もちろん本垢は完全に友達だけの設定です」。

交換したくないSNSの交換を迫られる時点でハラスメントになるのが今の世の中だが、リアルな世界ではそう簡単に訴えられないと話す。

「インスタはまだしも、LINEはサブ垢が作れないのでキツいです。会社支給のスマホがあればいいですが、うちはそういうのがまだないんです。とはいえ、LINEはいまや仕事のマストツール。交換しないわけにはいきません。“不急”と前置きをされたとて、週末にあれはどうなった?とLINEがくれば、返信せざるを得ないというのが実情です」。

こうして里奈さんはLINE、そしてインスタを上司と交換することになったというわけだ。そんな里奈さんが洗礼を浴びたのはインスタのほうだった。

「相互フォローした日、かなり昔の投稿にいきなりコメントがきたんです。わざわざ遡ったの?っていう驚きと同時に正直気持ち悪さを感じました。そこから、ランダムに20投稿ぐらいコメントが書かれたんです」。

翌日、そのコメントにリプを返さなかった里奈さんに上司はコメント見た?と嬉しそうに話しかけてきたというのだ。

「引きました…。でも上司なんで、無下にもできず、昨日はインスタ見てないですと嘘ついたんです。そうしたら、オンラインマークついてたけどなって、嫌味っぽく言われてしまって、すごい怖くなりました」。

同じ広報部の仲間に聞いてみるとみな同じ洗礼を浴びてきたらしい。

「男性とか女性とかそういうことは関係ないみたいで、リプを返さないと追コメントを入れてくることもあるそうです。めちゃビビりました…。この上司がイタいところは悪気なくやっているところ。むしろいいこと、イケてることとしてやっているんです」。

里奈さんの所属する広告部は5人と少数。ここで関係性を崩すのは、得策でないとあきらめてリプを返すことにしたという。

「一度リプを返すとさらにリプがきたりするんです。どんだけ暇なんだよって言いたくなりますが、もちろん言えません。結局、そのアカウントはほとんどアップしなくなりましたね」。

確かにそうなるのも無理はない。

「ちなみに上司はめちゃくちゃ投稿をします。言いにくいですけど、ジム後のストーリーとか本当に見る方が恥ずかしくなるようなものも…。朝のコーヒーにはじまり、ランチとかストーリーだけで1日5回以上。投稿もほぼ毎日してるような感じです。内容は旅行とか食事、ジム、ペットなど、プライベートなことがメイン。極めつけは娘や息子の話で、これ載せていいの?と心配になる内容もありますね」。

さらに上司はさりげなくコメントを求めてくるんだという。

「露骨には言いませんが、最近インスタにコメントつかないなーとか言ってくるんですよね。本当にげんなりします」。

後編】では、SNSリテラシーの低い上司が巻き起こしたある事件について、さらに詳しく話を聞いていきたい。

取材・文/悠木 律



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