夫を起こさないよう、娘の肩を抱いて部屋に連れていくと、娘は泣きじゃくって同じ言葉をくり返す。
「ママ、私の推しはどうなっちゃうの?もうテレビに出られないの?って。何も悪いことしてないんでしょ、と、そればかりです。大丈夫よ、大人が何とかするわよ、なんて、私はバカの一つ覚えで、そんなことしか言えなくて」
何とかその場を収めようとして言った淳子さんの適当な言葉では、娘は到底安心できるはずもなかった。
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