「息子を夫に見てもらって、由美子と二人で飲みに行ったんです。翌日に車の税金を払うつもりで、由美子と合流する前にATMでお金をおろし、財布に5万円入れて向かいました。飲み代は居酒屋が4,000円、バーが2,000円、タクシーが1,500円。
4万円は残っている計算だったのに2万円しか残ってなくて、おかしいと思ったのがきっかけです。おろした金額を間違えたと思ったんですが、銀行アプリを確認しても5万円引き出してるのは間違いない......。
最初は由美子を疑うつもりなんて1ミリもなかったんです。お酒が入っていたし、きっとどこかで落としたか、記憶違いだろうと自分に言い聞かせていました」
美咲さんはお酒が弱いわけではない。むしろ酒好きだ。酒癖はないものの、飲むと財布の紐が緩んで奢ったり、まれにお店にスマホや財布を忘れたりすることがあったという。
由美子に奢った記憶がないことを不審に思いつつも、聞くことはしなかった。しかし、財布からお金がなくなる不可解な出来事は、その後も起こった。
「財布の中に7,000円入っていたはずなのに5,000円札がなくなっていたり、3万円が2万円に減っていたり...…。現金がごっそりなくなることはなかったのですが『あれ?たしか千円札は何枚か入っていたはずなのに』ということが何度か起こるようになったんです」
現金が消えるのは、決まって由美子と会った日だった。
「最初は夫が勝手にお金を取っていたと思っていたんですが、違いました。犯人は由美子だったんです......」
仲が良いママ友の正体は「盗人」だった。
後半では、犯人判明までの経緯と、由美子の深すぎる闇についてリポートしたい。
取材・文 錦城 和佳
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