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「ふざけるな!」クルマ好きおじさんはビッグモーターの社会からの退場を切に願う

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■間接的には、任意保険を支払う我々に影響する

日々さまざまな疑惑が浮上しているビッグモーターだが、なかでも衝撃だったのは、修理費用を上乗せするため、物理的に修理車両を傷つけ、入庫時には無かった損傷を新たに加えていた、ということ。これらが事実であれば、保険金をだまし取った詐欺となる。

直接的な被害者は、東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパンといった損害保険会社ではあるが、自動車事故を起こして、任意保険を使って修理すると、翌年から保険等級が下がり、年間保険代が上がってしまう。損保会社に保険料を支払っている我々自動車ユーザーも被害者なのだ。

特別調査委員会による社員へのアンケート調査によると、上記のように故意に修理車両を傷つけ、支払われる保険金を上乗せしようとするケースが頻発するようになった背景には、修理板金部門にも収益目標が与えられていたことがあるという。

修理板金部門にも収益目標が与えられていたというビッグモーター。目標未達となると、しっ責されたり降格処分となるため、現場責任者のなかにはその恐怖から逃れるため、不正を行ってしまった人もいるという(写真はイメージ)

収益目標が未達となると、LINEで叱責されたり、役職降格や転勤通告が突如行われていたとのこと。そうした恐怖政治の下で少しでも数字を伸ばし、役員層からの怒号や叱咤から逃れるため、現場責任者のなかには、部下へ前述のような犯罪ともいえる行為を強要する者がおり、それが常態化し、現場もマヒ状態となってしまったそうだ。

ビッグモーターグループ連結決算の中で、修理板金部門の売上高はわずか2~3%程度だという。本来は、不幸にも事故を起こしてしまった人のクルマを修理し、その後の中古車購入に繋げてもらうための架け橋になるはずの修理部門に、収益目標を与えていた(1件あたり14万円)というのは、上層部の異常な利益志向によるものではないだろうか。

 

■厳正な処分がなされていくことを期待

7月25日に行ったビッグモーターの記者会見では、兼重元社長は、自身を含む経営陣はその旨を知らなかったと主張している。おそらく、「そうした行為があったことは知らなかった」というのは本当なのかもしれない。だが、「現場が勝手にやったこと」というのが事実だとしても、使用者責任は実質的に無過失責任であり、社長は責任を免れることはできない。

ビッグモーターに関しては、看板やクルマを見やすくするため、街路樹を枯らすような行為をしていたという疑惑も浮上している

社長と副社長は辞任し、新社長へとバトンタッチしたが、根深い不正の責任はどこまでも追及されるはずだ。5000人規模の社員の生活が懸かる大企業ではあるが、国土交通省、金融庁、警察からの処分等、さらには客離れにより、速やかに社会から退場することをクルマ好きとしては切に願う。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:Adobe Stock,AC
Edit:Takashi Ogiyama



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