「普通、コーディネートしてもらって自信が持てたら、今度は自分なりに服を選んでみようとか、そういう発想になるのではないでしょうか。
ですが、夫はそのイベントでいただいた洋服一式だけをずっと着続けたんです。その年から3年ほどは、夏季の週末・休日はずっとそれ。TPO関係なしです。
SNSも嫌いで、他人のコーデを参考にしようという気もないから、本当にそれだけ着てました」
最初のうちは街中で知り合いに偶然会うと、「えー、誰かと思った。超おしゃれじゃん」などと言われて、テレつつも笑いが止まらなかった夫。
ファッションセンスに自信がなかった頃の自分とは違う、と言わんばかりだった。
「でも、下手に褒められたので、もうそのコーデしか着たくない、みたいになったんです。それで、着倒してしまうから洋服はどんどん消耗して、ジャケットは型崩れして帽子も臭くなって繊維が飛び出したりとかして(苦笑)。
それでもとにかくずーっとそれ。夫の自由なんですけど、私恥ずかしくて」
子どもを通じて仲良くなった夫婦にも「すっかりハットにジャケット&ショーパンの人だね」などとからかわれたりするが、夫はやはりそういう言葉をイジりと取らずに、褒められたと解釈していたようだ。
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