【前編あらすじ】
女性用風俗でセラピストとして働くタダシさん(仮名・25歳)。建材メーカーでのうつ病発症をきっかけにセラピストへ転職し、持ち前の真面目さでこつこつと指名客を増やしていた。
そんな折、人気セラピストのアキラさん(仮名・26歳)とともにダブル指名され、まさかのボーイズラブ漫画再現をリクエストされて……。
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タダシさんは語る。
「唐突なボーイズラブのリクエストに困惑しました。アキラさんを見ると涼しい顔で『わかりました』とひと言。
リリコさんが詳しい流れを説明してくれましたが、僕の耳にはスムーズに入ってきません。心臓がバクバク鳴って、会社勤めの時に感じた『手のひらがジンジン痺れてくる』というプチパニック状態に陥ったんです。
マズい……しっかりしろ! 必死に自分を鼓舞していると、アキラさんがこちらを振り向きました。
その目は獣を見るようにギラついていました」
直後、アキラさんに抱きつかれ、タダシさんはベッドに押し倒されたという。驚く間もなくキスをされ、舌が入ってきた。
「ちょ、ちょっと待って……」
思わず拒んだタダシさんの耳元で、アキラさんに囁かれた。
「お前もプロだろう。役になりきれ」
静かだが迫力あるその一言で、タダシさんの肝が据わった。

「その後はアキラさんにリードされるままキスをし、服を脱がされ、全身を撫でまわされました。そのたび、僕の口からは『うっ』と唸り声が出るんですが、ふとソファーのほうを見ると、リリコさんが前のめりになって見入っているんですね。
BLファンってこんな光景にときめくんだ……と複雑ながらも新鮮な気持ちになりました。でも、股間を触られた時はさすがにビクッと体をよじってしまって……。
下着を脱がされた時は、もう頭の中が真っ白で……今となってはアキラさんにどこをどう責められたか覚えていないというのが正直な気持ちです」