食うや食わずの月末には、学資保険を解約しようかどうか、きまって悩むという。
「これも仕方がない話なのですが、破産した実家がひどい状況になっているので、実は自分も大貧乏なくせに、弟と2万円ずつ援助しているんです。
母はまだ59歳。私のように飲食店で働いていますが、父を見ないといけないので、頑張っても10万には届きません。自分たちが貧乏しているからといって、親を見殺しにすることはできないから」
以前は貫禄があって勇ましかった父も、現在は全く戦力にならない。
「先ほど『廃人みたい』などと言ってしまった父ですが、還暦を迎えたばかりでまだ若いんです。ただ、記憶障害のような状態になり、働けません。
何度も同じことを聞いたりするので認知症かと思って診てもらっても医師は違うと。脳の萎縮は全くないそうなんです。倒産前後の心労が祟ったのか、あんなに可愛がっていた孫の名前もわからなくなりました」
みれいさんの声がまた震え出す。生活苦にからめとられ息苦しさが募るなか、この春さらにお金が必要になったのだそう。
その話題になるとみれいさんは、たびたび言葉に詰まってしまう。
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