既婚者であっても、愛するパートナーがいても、それが「日常」となってしまえば、新たな刺激を欲してしまうのが男と女の性(さが)なのかもしれない。
今回は「夫婦交換」という愛の形をお届けしたい。
「あなたがしてくれなくても」というフジテレビのドラマが今クールのドラマで話題をさらったように、セックスレスに悩むカップルは増えている。日本家族計画協会家族計画研究センターが主催した調査によると、「30代の半数以上がセックスレス」だというデータもある。
取材に応じてくれたのは、建設業を営むタダシさん(仮名・41歳)だ。細身ながら筋肉質な体躯で、日焼けした肌が大人の色気を醸し出している。
彼には2歳下の妻、5歳と3歳の息子がいる。
そんな彼が「夫婦交換サークル」の内情や入会した経緯を語ってくれた。
「妻とは交際期間が長かったため、子供が生まれた後はすっかりレスになって……ある日、同業他社のA社長と呑みに行った際、酔いに任せてその件を話すと、『実は夫婦交換サークルというコミュニティがあって、僕はその会員なんだが、タダシ君は興味あるかな?』と訊かれました。
過去には「乱交」など下世話な名称でしたが、現在は夫婦の悩みを解消したり、夫婦愛を深めるための真面目なサークルと言う位置づけのようです。
僕らみたいにレスになった夫婦が合意のもとでパートナーを交換する——他の男とベッドを共にする妻を目の当たりにし、今まで知りえなかった嫉妬交じりの興奮が生じ、夫婦の絆が深まると言われたんです」
タダシさんは続ける。
「A社長が所属する夫婦交換サークルは『P』という名前で、多くが医師や弁護士、財界人、投資家、会社社長などのエリートとのことです。入会は紹介制で、勤務先や年収、家族構成など、厳しい審査があります。
主催者はとある資産家の熟年夫婦で、入会金は夫婦で80万円。僕には80万を払っても『男としての自分を実感したい』『もう一度、性を謳歌したい』という気持ちに駆られたんです。
乗り気の僕を察したのか、A社長は『タダシ君さえよければ、僕が紹介するよ』と言ってくれ、後日、夫婦交換サークル『P』の主催者・マナブさんご夫妻に会いました。
60代のご夫妻は、落ち着いた物腰で言葉遣いも洗練されており、夫婦交換とは縁がなさそうな品格ある夫婦で、僕のほうが驚いてしまったくらい。