連絡したのは彩花さんをキャバクラで1年間指名していて、仲がよかった男性(以下:Aさん・52歳)だ。
「Aさんはのちのち定期Pになったんです。1か月に10万円くらいのお小遣いと、たまに洋服やバックを買ってくれました。大人は……、ぶっちゃけ言うとありました……。
でも大人は月に1~2回かな。Aさんは変な性癖がないし、付き合いも長かったので行為をするのに抵抗はありませんでした」
パパ活界隈では、専門用語がいくつか存在する。
Pは「パパ」、つまり定期Pは「定期的に会うことになったパパ」を指し、大人とは「身体の関係がある」ことを意味する。
彩花さんとAさんの場合は月に何回か会ってセックスをし、その対価として現金やブランドのバックを買ってもらっていた関係になる。
「パパ活を始めたときは相場などあんまり分かっていなかったんです。Aさんは指名客の中でも飲み方が綺麗で一切お触りもしない。『北海道旅行に行くからお小遣いちょうだい~!』と冗談で言うと飛行機の往復チケットとお小遣いといって現金を振り込んでくれる人。
イケオジだし、月に決まった金額をくれるしお互いウィンウィン。こんな良いパパ、地方ではあんまりいないと思います」
Aさんのほかにも、食事をするだけのパパも存在するようだ。
パパ活の主な収入源はAさんで、Aさんと合わない日はほかのパパと食事へ行き、その都度タクシー代を含めた現金をもらっていたそう。
パパ活の収入を換算すると本業の月給をとうに超え、稼いだお金はエステや洋服、旅行に消えた。
「キャバクラのバイトでも同伴やアフターへ行っていたので、『パパ活をしている』という感覚はなかったんですよね。むしろ楽しんでやってました。
パパ活をして稼いでいると、女性としての価値はこれくらい、私は周りよりイケてると優越感に浸れるんですよね……。効率よく稼げるので女に生まれて良かったと思います」
昼は会社員、週末の夜はパパ活をして本業以上のお金を稼ぐ――。
人生イージーモードだと思っていた彩花さんだったが、30歳を目前にした頃から徐々に現実を突きつけられるのであった。
「28歳くらいから?周りの友達が結婚・出産し始めて焦りを感じていたんです。もともと結婚願望はめちゃくちゃ強いし、幸せな家庭を築きたい気持ちは人一倍強いです(笑)。
でもパパ活はやめられないし……。実は2年付き合っていた彼がいたんですけど、パパ活のことを隠しながら付き合っていました」
交際している間、彼氏とは毎週末会うのでパパと会うのは主に平日の夜になった。
本業に支障が出ない程度にパパと会うが、彼氏にはバレないように動かないといけなかったため稼働時間は少なくなり収入も減る。
体の関係があるパパAさんとは関係を切り、それからはSNSやアプリで出会ったパパと週に1~2回、お茶や食事をするだけにしていたようだ。
1回会うたびに平均で1~2万円、プラスタクシー代を貰う。
パパ活をしないと生活ができなくなっていた彩花さんは、仲の良い友人と飲んだ際ポロッとパパ活のことを話してしまい、疎遠になった経緯について語った。
「信頼できる友人に酔った勢いでパパ活のことを話すと『友達だからガチでいうけど、もううちら若くないんだからパパ活やめた方がいいよ。婚期も遅くなる。若くなくなったら稼げなくなるのって、それ仕事じゃないし何のビジネスでもないと思うよ』と言われてめちゃくちゃムカついたんですよね。
パパ活しないと生活苦しいし、やりたいこともできなくなるなんて嫌。しかもその子、実家暮らしなんですよ。親に甘えているあなたに言われたくないと思ってしまい、その友人とはだんだん会わなくなりました。
同世代の人と会っても金銭感覚が合わず、プライベートで会うのは彼かパパくらいになっていったんです」
続けて、こう話す。
「実は、結婚まで考えていた彼にも、パパ活してることがバレてしまって……」
そんな矢先、さらに彼女をドン底に突き落とす出来事が起きる。後半では彼女を待ち受けていたあり得ない不幸について、さらに詳しくレポートしたい。
取材・文 錦城和佳