徐々に彼女が住む1Kのアパートで過ごすことが多くなって、仕事終わりは一緒に夕飯を食べたり韓国ドラマを見たり、恋人関係を楽しんでいた。
「妻とはずっと仮面夫婦だったんです。子どものために離婚はしていなかったものの、会話なんてほぼありませんし、お互い無関心。朝帰りしても、お互いなにも言いません。妻はバリバリの保険の営業マンなので、年収が高いのはあっちでした。私もある程度もらっていますが、そこらへんの男性よりバリバリ働くキャリアウーマンですよ。一人息子は東京の大学へ進学したので家にかかる時間が少なくなり、夫婦の溝はどんどん大きくなっていました。もちろんセックスレスです。いつ離婚してもおかしくないような状態でしたね」
一方でA子は、「奥さんと別れて私と付き合ってほしい」などはっきりした発言はしなかったものの、「誠さんが旦那さんだったらなぁ」「私もいつかは幸せな結婚生活送れるかな?」と、付き合いが長くなるにつれ結婚をチラつかせるような発言が増えていった。
自宅に帰っても妻は帰りが遅く会話はないし、一人で過ごすよりA子といたほうが癒やされて楽しいー。
また、夕方に一緒に食卓を囲めることや男として求められることに喜びを感じていたようだ。
誠さんの妻は仕事や趣味・友人との交流で家を留守にすることが多いため、夫がどこで何をしているか関心がなく、当然A子の存在にも気づいていないようだった。

「妻も、男がいた時期もあったか......と思いますよ。周りからはよく『おかしい変わった夫婦』って言われますけど、本当にお互い干渉しないんです。妻は営業なので、よく出張がありますけど本当に出張なのか確かめたこともありません。A子と交際して1年が経ち、正式に離婚しようか考え始めたんです」
続けて、誠さんはこう話す。
「A子の家庭環境は複雑だったようで、小学校低学年のときに父と母が離婚。母はお昼の仕事とスナックを掛け持ちしていたので、寂しい幼少期を過ごしていたようです。なので落ち着いた男性が好きと言ってました。僕からすると、こんなオジさんのこと好きでいてくれてありがとうという気持ちが大きかったですね」
それから誠さん夫婦の離婚が成立したのは半年後。
現在住んでいるマンションは妻が住み続けることになり、誠さんは単身者向けのアパートへ引っ越した。
離婚後もA子さんとの交際は続いており、来年の彼女の誕生日にプロポーズをしようと心の中で決意していたのだったー。
15歳年下の彼女と社内不倫の末、家庭内別居中だった妻と離婚が成立。
後半では、離婚後の生活について詳しくリポートしたい。