次第にケンジはスイッチのわからないキレ方をするようになり、ミホはどの言葉がケンジの癪に障るのかが分からず、普通に会話をすることさえ気を使うようになった。
さらに少額の買い物でさえ「これは無駄遣いだ」と細かく指摘されるように。毎晩、ケンジの帰宅時間が近づくと胸がザワザワした。
休日なんて一生来なければいい……もはや限界だった。
ある日、また些細なことで怒りだしたケンジに「離婚だ!出ていけ!」と激しく怒鳴りつけられたミホは実家へ逃げ帰り、親や友人に正直に話すことでようやく目が覚めた。
その後は周囲の協力もあり、ケンジとは一度も会うことなく弁護士をたてて離婚することができた。現在、就職をして人生をやり直している最中だ。
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