上品さと今っぽさを兼ね備えた、敢えてのノンワックスがキモ!
第560回目は、バブアーのトランスポーターです。
クラシック回帰とともに人気上昇したヴィンテージ市場。同時に男らしい装いに注目が集まっていることから、無骨なアウターが高い支持を得ています。「ビューフォート」や「ビデイル」、「スペイ」など数多くの名作を輩出している「バブアー」は、まさにそのど真ん中! 英国トラッドも人気ですし、トレンドスタイルを楽しむなら今激アツなブランドなんです。そんなバブアーの中で今回ご紹介するのは「トランスポーター」。
1894年から続く英国の老舗ブランドの中で、トランスポートは1990年代から2000年代に展開されたもの。長い歴史の中においては展開時期も短く、古着市場でもなかなかお目にかかれない隠れた名作であります。本作はコーデュロイの襟や短丈シルエット、ジップ&スナップボタンのフロントデザインなど、トランスポートのディテールを採用した一着。最大の特徴は、なめらかな質感を持つコットン&ポリエステルのピーチ素材にあります。柔らかな風合いがシックな印象をもたらし無骨一辺倒にならない佇まいは、実に大人向きと言えます。
バブアーと聞くとラギッドなワックス生地が有名ですが、今着こなすなら適度な上品さは欲しいところ。40オーバーの大人ともなればなおさらです。その点をピーチ素材で解決したこちらは、言うなれば上品さと男らしさを兼ね備えた老舗ブランドの隠れた名作。大人の着こなしをアップデートするのは間違いありません。
太畝のコーデュロイで切り替えた襟がアクセントに。襟下に備えられたチンストラップも、男らしさを加速させ、らしさを滲ませています。
アザーカラーのネイビーは襟を同色で統一し、カーキ以上に洗練された装いを叶えます。とは言え、マットな色合いがキレイになりすぎず、マッシブな佇まいをしっかりキープ。この絶妙なバランス感覚が、100年超もの長きにわたって愛される理由の一つです。
同じトランスポーターのルックスを持ちながら、より軽快な印象のコチラ。実はこれ、日本の気候にマッチするように企画されたジャパンコレクションの一着なんです。その名も「ボローデール」。ライトウェイトツイルのポリエステルを採用し、軽さと撥水性も兼備。ストレッチが効いているのもポイントです。
コチラもボローデール。上の一着よりもやや濃いめのベージュで仕立てており、金ボタンとのコントラストがアクセントに。トランスポーターに比べ、襟のコーデュロイも細畝のものを使用しており、スマートさをアピールします。フラップポケットとスラッシュポケットのダブル収納も見どころ。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
【問い合わせ】
バブアー パートナーズ ジャパン 03-6380-9170