それからコロナ禍の状況のなか、2021年の9月に待望の長男を出産。
コロナ禍の出産のため、家族の立会いや面会は不可だった。
1人での出産は心細かったが、産まれてきた我が子に対しこの子を全力で守ってあげよう、この子のためならどんなことでも乗り越えると琴美さんは強く誓ったのだった。
義父も、孫が生まれたら流石に言動や考えが少しは変わるだろう。
そう思っていたが、現実はそう甘くはなかった。
子どもが1か月になり、お披露目会を兼ねて義実家で夕食を食べているときだった。
義父は座ってテレビを見ながらビールを飲み、義母は忙しそうにキッチンで慌ただしく準備をしている。普段通りの光景だ。
そんな中、義父が生後1か月の赤ちゃんを抱っこしながらあやしている琴美さんに対し、こう言ってきた。
「琴美さん、ビールと氷。」
「えっ?」
「あ、ビールと氷を冷蔵庫から取ってきて。」
そのあとは「氷が切れたからコンビニで買ってきてくれ、あとタバコもよろしく」と言われ、義父や義姉たち家族が食べ終わった食事を片付けたり義母の洗い物を手伝ったりと、ゆっくり過ごすことはできず体力だけ消耗したと語る。
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