南の夫はまず、自宅に戻った母親の承諾を得て、警備会社の遠隔見守りシステムを実家に導入しようと提案してきた。
「夫のたっての希望だというと、母親は素直になれずに変な顔をしていましたが、同時に意外そうにしていました。父のお葬式の日、彼に嫌われても仕方がないほどの暴言を吐いたという自覚はあったようです」
さらに南の夫は、いつもより早く職場に出向き、仕込み前に厨房で母親の食事を作るようになったのだという。誤嚥を予防するため最初はやわらかめの食事だったが、様子を見て徐々に普通食に変わり、いよいよ彼の腕の見せ所となった。
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