千秋さんの母親はその男性に夢中だった。
時には交際相手を伴って千秋さんや弟の家まで、お金をせびりに来た。浪費は日に日に激しくなり、消費者金融にまで手を出す始末。毎月の利息は恐ろしいほど膨れ上がっていった。
「利息がどんどん重なって返せない状況になっていました。僕と千秋ではとても対応しきれなかったので、僕の両親や兄にも相談をしました」
雅彦さんの実家では緊急会議が開かれたという。
孫たちを溺愛していた両親は、この話を聞かされると激怒した。
「これから子どもたちのお金が必要になるのに何を考えているのか?」
「警察に連絡するべきだ」
話はもつれたが、ひとまず利息が増えないようにするため、両親と兄が消費者金融への返済費用を貸してくれた。千秋さんの母親に二度とクレジットカードを貸さないという約束も取りつけた。
しかし、これで怒ったのが千秋さんの母親だ。
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