【後編】遊ぶ私立進学組、迷惑している国公立受験組……受験期の高校教師の苦悩。

本当なら彼女は、受験を控えた生徒のケアに集中したいのだそうだ。でも、進学が決まった生徒たちが問題を起こすので、そちらの対応に追われてしまう。

進学が決まった生徒たちは、学校の付近で制服を着て大声で歌を歌って動画を撮影していたり、公園で服を脱いで動画撮影をして警察に通報されたりと、問題には事欠かない。

放っておくわけにはいかない萌子さんが、彼らの面倒を見て指導をしていると、今度は受験を控える生徒たちの方が、「先生は俺たちの心配をあまりしてくれていない」と言いはじめる。

「もう本当に、悩みは尽きません。本音を言ってしまえば、受験が心配だというのはもちろんなのですが、何の問題も起こらずに卒業していってほしいです。

私の責任がどうとか言うことではなくて、生徒たちの将来に傷がつくと思うので、なんとかして守り切るつもりですけど……。といっても今日も、SNSにうちの生徒がしょうもない動画をあげていて、他校の先生から電話がかかってきました。