「更にびっくりしたことに日記には、私の夫の健太【K】が義父のタネじゃないってことも書かれていたんです。言われてみれば、夫は義母に似ているところはあっても、義父とはあまり似てないんです。あんまり驚きすぎて、トイレに行きたかったことも忘れて、日記を読みふけってしまいました」
結局、義母が納戸の戸を開けてくれたのは夜になってからだった。その後もこまごまと用事を言いつけられたが、アカリはおとなしく義母に従っているふりをしつつ、こっそりと義母の日記を納戸から持ち出し自宅に持ち帰った。
「本当は直接対決したかったんですが、まずは証拠保全しなくちゃと思って。それから数日経って、義父が仕事に出ている時間を狙って、義母に電話して『もう義実家には行きません』って宣言したんです」
不倫日記を見られたことを知った義母は、最初はとぼけようとした。
「あれは私が想像で書いた小説みたいなものよ。アカリさんたら、それを真に受けるなんて」
「想像で書いたとしても、お義父さんや健太さんがそう受け取ってくれるか分かりませんよね? 本当だと思われたら、お義母さんはウソだって証明できるんですか?」
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