「久しぶり」
高円寺のスポーツバーのカウンターに座る綾子は、年齢を重ねていてもいままでみたなかで、一番きれいだった。
「綾子、なんで黙ってたんだよ」
航平はハイボールを一気に飲んだ。
「綾子、本当は離婚してるんでしょ？ 子どももいないんでしょ？」
「ふふふ。ばれちゃったか。どこで知ったの？」
「死ぬほどTwitterとInstagramとFacebookで共通の知り合いを探したんだよ」
「あ〜あ。黙ってたのにな」
「綾子、離婚したのは南アフリカ大会の直後だったんでしょ？ もしかして俺たちのことが原因？」
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