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安全に、正しく、便利に電動キックボードを使う方法とは?

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

 

■現在は「原付」だが、2024年には「自転車」に近づく!!

電動キックボードは、ハンドルとスケートボードを組み合わせたものに、電気モーターを設置しただけのシンプルな乗り物だ。そのモーター出力は0.6kW以下というのが相場。それゆえ、現在の日本の道路交通法では「原動機付き自転車(以下、原付)という」に分類されるため、公道を走る場合は、原付免許が必須。ナンバープレートの装着や自賠責保険への加入も必要だ。ヘルメットの着用も必要で、最高速は30km/hまで。「原付」であることから、車道を走行する必要があり、自転車感覚で自転車レーンや歩道を走ることはできない。

そんな電動キックボードだが、2024年4月からは、新設される「特定小型原動機付き自転車(以下、小型原付という)」に分類される。最高速度は20km/hへと下げられ、免許不要(16歳以上)、ヘルメットの着用は任意となるが、自転車通行レーンや歩道も走行が可能 (速度6km/h以下)と、自転車のルールに近づく変更が施される。ただ、法改正までは、原付のルールが適用されるため、誤って自転車レーンなど走行しないよう注意が必要だ。

また、現在実証実験が行われているシェアリングサービスの電動キックボードは、「特例電動キックボード」とされていて、新事業特例により、利用エリアでの走行においては「小型特殊自動車」となる。そのため、エリア内においては、ヘルメットの装着は義務化されておらず、車道のほか、自転車専用通行帯(自転車レーン)と自転車道(サイクリングロード)の走行が可能で、一方通行に関しても「自転車を除く」という補助標識がある場合は、進行方向によらずに通行ができる。また、二段階右折は禁止だ。

つい先日も、横浜のみなとみらい地区で、電動キックボードをノーヘルメットで走行している方を見かけたが、まだ見慣れぬ風景であったので、違和感はあったものの、交通ルールを守った走行をしていたので、安心してみていられた。ちなみに、電動キックボードのシェアリングサービスを展開する「Luup」は、日本全国30か所で実験を重ねており、東京の渋谷・新宿・六本木、大阪のキタ・ミナミでサービスを展開している。

現在広がっているシェアリングサービスの電動キックボードは、自転車専用道路は走行できるが、歩道を走行することはできない

 

■電動キックボードのメリット1「自転車よりも小回りが効き、コンパクトにたためる」

電動キックボードのサイズは、長さ190cm×幅60cmと、自転車よりもコンパクト。そのため自転車よりも小回りが効き、狭い道路でもスイスイと進むことができる。また折りたためばコンパクトに収納も可能だ。自宅の駐輪場だと盗難が心配という場合には、家の中へ運び込むことも可能だ。ただし電動キックボードの重量は15~20kg程度あるので、持ち運ぶにはやや大変となる。

 

■電動キックボードのメリット2 「旅先の足として、より気楽に移動できるようになる」

今後は、地方の旅行先などでも電動キックボードをレンタルできるシーンが増えていくはずだ。これまで観光地へ旅行に行った際には、現地でレンタカーを借りたり、電車、バス、タクシーを乗り継いで散策していたものだが、より気楽に移動できるようになる。電動キックボードを使っての現地観光ツアーなども誕生するかもしれない。

 

■電動キックボードのメリット3「ファッション性が高い?」

2019年から、「Lime(ライム)」や「Bird(バード)」など電動キックボードを使ったパーソナルモビリティサービスが日本へ上陸を始めている。なかでも、「Lime」は、フランスのパリコレに関わる人たちが移動手段に利用したことで、ファッション性の高さが有名だ。スタンディングで操作する電動キックボードは、シルエットを際立たせ乗員をカッコよく見せてくれる。

 

■ただ乗るだけなら「小型原付」のルールが適用されてからが安心

将来的には、電動キックボードは、都心部や観光地といったエリアでは、交通手段の選択肢の一つとしてさらに拡大していくだろう。ただ、乗るならば、前述した2024年4月の「小型原付」新設以降の方が安心。シェアリングサービスの電動キックボードであっても、自転車専用道がなければ車道を走る必要があり、右折時などはクルマに並んで走行することになるため、リスクを伴うからだ。

冒頭でも触れたように、電動キックボードは、日本の都市部のような公共交通機関が発達した環境に適した乗り物だ。誰もが安全に利用できる交通環境や理解しやすいルールを作り、日本人だけでなく海外からの観光客も利用できる環境を実現して欲しいと思う。

税金払え!免許取れ!という前に、電動キックボードの違反とメリットが複雑過ぎた!一体誰が責任取るの?

Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo: Adobe Stock
Edit:Ogiyama Takashi



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