■5位:日産「キャシュカイ」2022年上期 欧州市場販売台数5万4313台/Compact SUVセグメント5位(欧州内順位。以下同)
「キャシュカイ」は、欧州Cセグメントに属するコンパクトクロスオーバーSUVで、日本でも初代モデルが「デュアリス」の名で販売されていました。現行型は2021年2月にモデルチェンジとなった3代目で、シャープでモダンなデザインと実用的なパッケージング、進化したプラットフォームによる走りと安全性の向上、コネクテッド技術による快適な機能が特徴となっています。
ボディサイズは全長4425mm×全幅1838mm×全高1635mm、ホイールベースは2666mmで、カローラクロスに近いサイズ。パワートレインは新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3L 直噴ガソリンターボと、可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとしたe-POWERが用意されています。日本でも新型「エクストレイル」に搭載され、話題となりましたね。
ボディサイズもちょうどよくデザインもカッコいいので日本にも導入したら売れそうですが、今のところ導入の予定はないようです。
■4位:トヨタ「RAV4」2022年上期 欧州市場販売台数4万6236台/MIDSIZED SUVセグメント4位
日本市場でも人気のミドルクラスSUVである「RAV4」。グローバルでは、特に北米市場での人気が高いRAV4ですが、現行型の5代目は欧州市場でも人気となっています。
欧州では2022年6月に改良モデルが発表され、ハイブリッドとプラグインハイブリッドモデルに新たにデジタルコンビメーターを採用し、車両データを分かりやすく確認し把握することができるようになりました。センターディスプレイの画面サイズも大型化され、10.5インチの高精細カラーディスプレイとなり、スマートフォンとの連携サービスがさらに使いやすくなっています。
10月にはRAV4 GRスポーツを発表。ピアノブラックのホイールアーチやサイドモール、バックドアガーニッシュなど力強くスポーティな外観とし、スポーツシート、スエード調のトリム、シルバーステッチのステアリングやシフトレバーなどスパルタンな雰囲気も感じられる仕様となっています。サスペンションも専用チューンとなり、走りの性能に磨きをかけています。
■3位:トヨタ「C-HR」2022年上期 欧州市場販売台数5万9115台/Compact SUVセグメント4位
こちらも日本でも人気がある、コンパクトクロスオーバーSUVの「C-HR」。C-HRは、2016年3月に開催されたジュネーブ国際モーターショーで初披露されていることから、グローバルモデルとはいえ欧州市場に力を注いだモデルであると考えられます。
C-HRで最も特徴的なのはスポーティで洗練されたデザインでしょう。「センシュアル スピード-クロス」というコンセプトをもとに、SUVのたくましい足回りやスピード感あふれるボディ、大人の色気を表現し、カテゴリーの中での存在感を高めてきました。
C-HRには2021年モデルとしてGRスポーツが追加されましたが、実は欧州仕様と日本仕様ではややデザインが異なります。欧州仕様は標準モデルと同じ形状のバンパーをベースに、ピアノブラックで引き締められたグリル周り、シルバー加飾で上質な雰囲気に仕上げられたリアバンパーが特徴となっています。大きな違いはないものの、欧州仕様は落ち着きのあるスポーティな雰囲気、日本仕様はレーシーな雰囲気といったところでしょうか。
■まとめ
欧州は、コンパクトクラスの人気が非常に高い市場です。また、ガソリン価格の高騰を受け、燃費のいいモデルに人気が集まっており、ハイブリッドの性能に定評のあるトヨタの人気が、数字にも表れています。そういう意味では、日本と欧州の市場はやや似ているところがあるようです。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo: TOYOYA、NISSAN
Edit:Ogiyama Takashi