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CAR 中年と中古車

盲点! マセラティの中古車がいま、面白い理由。

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若かりし青年があっという間に中年となっているように、かつては高嶺の花だったピッカピカの新車も気がつけば中古車に。あの時は高くて買えなかったけど、今ならイケるかも!? な妄想を抱く二人の中年、中古車野郎Aチームが読者の皆さんに代わってとっておきのクルマを探す企画です

男が男であるために、いまこそ骨太のマセラティに乗ろう!

中年のオッサンは基本的にヒマです。ある日雑学を深めようと明言・格言集を見ていると、ふと目が留まります、「女は生まれながらにして女優である」の一文に。甘酸っぱい若き日の思い出は別として、皆さんも一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

この言葉を世の男たちに問うたのはフランスの劇作家、詩人、小説家のアベル・エルマン(1862-1950年)。このお方、女のウソに関しては大家のようで数々の名言・格言を残しているという。じつにエロいオッサンである。

 

それはさておき、じつはこの名言には続きがあるのだという。つまり前半の半分だけが脈々と男たちに語り継がれていたのだ。 で、肝心の後半ですが、「しかし、男は男として生まれてくるのではなく、男にならなければならない」と、まるで遺言のような重要事項が土に埋もれていたのである!

というワケで、今回はネオクラシックな趣味車から厳選して90'sマセラティをピックアップ。この世代のマセラティ、いわゆるバブル期のモテ車なんですが、ブランドヒストリー的にはデ・トマソ期のモデルになります。

捕捉すると、イタリアンスポーツ&ラグジュアリーなマセラティの歴史はちょっと複雑で、1914年にボローニャの地に設立されたマセラティ兄弟による創業期から、オルシ家への全株式譲渡までをブラザーズ(ファミリー)Era。以降、オルシEra、シトロエンEra、デ・トマソEra……と、趣味のパイプにならい分別。現在のマセラティはステランティスグループに属するわけですが、少なくとも1997年以降のフェラーリEra時代までのモデルは濃厚なネオクラシックテイストが味わえるのす。

取材で訪ねたのはマセラティを中心としたイタリア車の専門店、東京・練馬にある「マイクロ・デポ」さんの創業25周年を機に建てられた最新秘密基地。自動車メディア界隈ではつとに有名な同店ですが、その理由はというと、この時代のマセラティは手工芸品と工業製品の過渡期に作られたモデルだからです。つまり、かなりの部分がハンドメイド品。「クルマなんぞ皆仕組みは同じ」ですが、時々、トコトン追い込んでネガの原因を調べないと濃厚イタリアンな走りが得られないのです。

取材前のワタシのリクエストは「ギブリ1台オネシャス」とだけ。いわゆる通称ギブリⅡと呼ばれるモデルです。ところが代表の岡本さんが大サービスで3台も用意してくれました。以下、物件データです。

●マセラティ ギブリⅡ最終型 ブルースペチアーレ/タン革 AT 初度登録:平成9年6月(ディーラー車) 車検:2年取得 現在走行距離:46161km

正規ディーラーによる日本導入モデルは2.8LのV6ツインターボを搭載。後期にあたる最終スペックは最高出力285psを誇ります。日本導入モデルの多くが4速AT搭載車ですが、このクルマのキャラクターにふさわしい走りが味わえます。ボディサイズは全長4215×全幅1775×全高1300mmでホイールベースは2515㎜。デザイナーはあのガンディー二です!

●マセラティ ギブリⅡオープンカップ ロッソマセラティ/黒革(純正スパルコレーシングバケットシート) 初度登録:平成27年12月(中古並行車) 車検:令和6年8月 現在走行距離:37841km

このモデルはいわゆるワンメイクレース用のレースカーなのですが、総生産台数はわずか60台です。2.0LのV6ツインターボエンジンは最高出力330psを発生。車歴などストーリーの詳細は動画内でお確かめください。ちなみに、2.8Lエンジン搭載車も15台ほど作られましたが絶対パワーはコチラが上。右ハンドル仕様というレアな個体です。

●マセラティ スパイダー ザガート後期型 ダークアクアマリンメタ/黒革(アルカンタラコンビ) 初度登録:平成2年6月(ディーラー車) 車検:令和6年2月 本日現在走行距離:67820km

カロッツェリアの名門ザガートが生産したビトゥルボ系オープンカー。こちらはショーとホイールベースのシャーシが特徴で、ボディサイズは全長4045×全幅1715×全高1340mm、そしてホイールベースが2400mmとなります。ちなみにV8エンジンを搭載したシャマルも2400mmのホイールベース。まさかギブリⅡより短かったとは!

まとめます。基本的に90'sマセラティのデザインはビトゥルボを描き出した名デザイナーのピエランジェロ・アンドレアーニです。このイメージを尊重しつつ引継ぎ、シャマルやギブリⅡへと進化させたのが、あのランボルギーニ・カウンタックで一世風靡したマルチェロ・ガンディーニです。

超絶気持ちいいV6エンジンは、マセラティのレース黄金期を築いたエンジニアのジュリオ・アリフィエーリの遺産でした。デ・トマソ期に同社を追われランボルギーニに移籍せざるを得ない状況となりますが、結果的にカウンタックの延命に貢献。自動車趣味人としてふかんして見ればイタリア車万歳ってことでOKかな?

「男というものは嘘の国の庶民であるが、女はその国の貴族である」。これまた冒頭で触れたアベル・エルマンの名言ですが、自動車趣味人はなんとか購入原案をテーブルに乗せ、セクシーで男気あるマセラティの予算を確保せねばなりません。マセラティのある人生は、きっとステキです!

Video:Yoshihide Shoshima
Video Edit::Airi Harumi
Text:Seiichi Norishige

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