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FASHION 僕が捨てなかった服

ベルルッティのタキシードを人気スタイリストが手放せない訳とは?

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

ハイダー・アッカーマンの美しい仕事が素晴らしい一着!

かつて編集者として出版社に勤めた経験があり、現在はファッション誌や広告、そして国民的アイドルからミュージシャン、政治家のスタイリングに至るまであらゆるシーンで活躍するスタイリスト櫻井賢之さん。

幅広い知識に基づき、クラシックからモード、ストリートに至るまで幅広いジャンルに精通する櫻井さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第8回目は、ベルルッティ(Berluti)のタキシードです。

「これはGQ誌のメン・オブ・ザ・イヤーの授賞式用にと買ったんですが、キツくて入らなくなってしまったので着なくなってしまいました。

確か、ハイダー・アッカーマンがクリエイティブ・ディレクター時代のものなんですが、残念ながらわずか3シーズンで退任してしまいました。

気をてらわず、誇張もない肩のラインは美しく、ラペル幅も自然。シルエットも細身で綺麗だったんですが、そのせいでキツくなってしまった。

側章はないものの、パンツも本格的でベルトループがない、ボタンフライ。ジャストサイズに仕上げていたので、体型が変わってしまうと穿けなくなります。

それほど頻繁に着るものでもなく、ほとんど袖を通していないのに手放すのは しのびなく…。綺麗なシルエットを描くテーラリングを得意とするハイダー・アッカーマンが手掛けたベルルッティというのも珍しいですし、仕事で使えるかもしれないので、クローゼットに眠らせています。

どこかで日の目を浴びる機会があると良いんですが」。

櫻井 賢之
スタイリスト

ファッション誌編集部員を経て、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動をスタート。メンズファッション誌にとどまらず、広告から芸能、音楽シーンに至るまで活躍の場を広げている。幅広い知識に基づく洗練されたスタイリングに定評あり。1971年、東京生まれ。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka



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