ハイテクを語るなら避けては通れない、唯一無二の名作です
第34回はナイキ スポーツウェアのナイキ エア ハラチです。
群雄割拠のスニーカー市場において、やはり一大ブームを起こした名作は根強い人気を誇ります。こちらの「エア ハラチ」もまさに。1991年にリリースされその革新的なルックスと機能性で話題を呼び、90年代ストリートを語るに欠かせない存在。ともすれば、昨今のストリートトレンドにもマッチするのは当然のことでしょう。
ここ数年相次ぐハイテクスニーカーの先駆け的存在である本作は、ウォータースキーブーツのフィット感と南米の伝統的なサンダルの機能性を融合させたことに端を発します。抜群の通気性を叶えるとともに、適度な光沢を持つネオプレンのような素材を組み合わせテクニカルなルックスが特徴。一見派手な印象を与えるものの、スタイリングしやすいのも魅力の一つ。ジャージーはもちろん、ワイドパンツからショーツまで幅広いボトムスと好相性です。
最大のポイントは「ハラチフィットシステム」。履き口とシュータンが一体となったスキーブーツのような構造のことで、ソックスを履いているようなフィット感をもたらします。今でこそソック系のニットシューズが定着していますが、これと同様の機能性を90年代初頭に生み出したとあれば、注目を集めるのも納得。何より他に類を見ないルックスです。洒落感と“わかっている”感を滲ませてくれるはず。
エア ハラチを象徴する、剥き出しのヒールクリップ。光沢のあるアッパーとマットなラバーが織りなすコントラストが、メリハリを演出します。
すでにお気づきかと思いますが、ブランドロゴのスウッシュがないのも本作ならでは。ハラチ特有のロゴがシュータンに配され、これは南米の伝統的なサンダル「ワラチ」にインスパイアされたものだとか。
ランニング用としてデザインされた「エア クッショニング」機能を搭載し、ソフトで反発力のあるフォームミッドソールと相まって、快適な履き心地が得られます。耐久性のあるラバーソールを採用しているので、グリップ力も抜群。
およそ30年にわたってリリースされているだけあって、バリエーションも様々。マルチカラーモデルの一方で、定番人気を誇るのはやっぱり白スニ。カジュアルな印象を程よく緩和し、大人にちょうどいいこなれ感を演出します。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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