遊びと言っても、やりすぎないさり気なさが大事なんです
第32回はピエール アルディのスニーカーです。
カジュアルな装いはもちろん、昨今ではビジネスシーンでも重宝し活躍の場が広がった白スニ。しかしながら、それゆえにシンプルなローテクは食傷気味、なんてことも。大人のお洒落の王道とも言える白スニこそ、ベーシックでは終わらないチョイスが必要なんです。そこで頼りになるのが、フレンチメゾンの「ピエール アルディ」。
ビッグメゾンのシューズデザインを手掛けた経歴を持つピエール・アルディ氏は、学生時代に美術や芸術を専攻していたとあって、独特の世界観をクリエイションに落とし込んできました。シンプルなルックスの中に垣間見えるこのひとクセこそ、今欲しいポイント! 定番の「ストリートライフ」がまさにそれを象徴します。
70年代に活躍したザ・クルセイダーズの名曲「ストリートライフ」をモデル名に冠した一足。アウトソールとヒールタブをブラックで切り替えたモノトーンデザインがシャープな印象を与え、上質なカーフレザーがエレガンスを主張。その一方で、お馴染みのキューブをプレスした「コメットソール」が遊び心を演出します。ストリートシーンに好相性なダッド感も滲ませますから、そこらの白スニとは一線を画すのもご納得頂けるかと。
特にここ最近は、フレンチブランドに注目が高まっているから実に今どき。ユニークなディテールをあくまでさり気なく取り入れているので、持ち前の上品さは損ないません。つまり、大人顔をキープしたまま遊びの効いた洒落感をモノにできるってこと。気持ち新たに白スニを楽しむなら、こんな一足を選択肢に入れてみては。
フィット感を向上するカップインソール仕様で、着脱も楽ちん。ヒールタブには、同色のキューブロゴが鎮座。
トゥ部分のステッチや中央を分断するようにあしらったラインなど、目を引くディテールが随所に。シンプル一辺倒で終わらないこだわりに、らしさが窺えます。
同ブランドの初代「バスケットスニーカー」を想起させる新作「104」。サイドにレザーでデザインしたアートワークと、小さなキューブをエンボスで並べたソール、シュータンのパディングなど。シンプルなローテクをベースにしつつも、こうしたディテールが存在感をアピールします。
スケートカルチャーにインスパイアされた「オーリー」は、中央の切り替えや履き口のクッションが程よいぽってり感を醸し出します。トゥ部分のソールに立体感あるキューブをデザインした「スケートソール」がアイキャッチ抜群。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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ピエール アルディ 東京☎️03-6712-6809