新生カウンタックLPI 800-4は電動化への救世主である
フェラーリやランボルギーニといえども、2度と作れない禁断のレジェンドモデルがあります。それはフェラーリならディーノ、ランボルギーニならミウラということになります。なぜか? 理由はいたって簡単。高校生の薬師丸ひろ子様が髪を染めたイマドキのミニスカJKになったらどうでしょう? 世のオジサマたちが許しませんね。それは触れてはいけない高貴な存在なのです。
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ランボルギーニが世界のビリオネアが集うペプルビーチで発表した『Lamborghini Countach LPI 800-4』。概ね皆絶賛し歓迎ムードが漂います。このスペチアーレは世界限定112台(すでに完売か?)。かつてプロトタイプとして開発していた当時のカウンタックの車内コード『LP112』に由来します。じつに心憎い演出をしますね。
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ビジネス的にいえば、これってラグジュアリーなレジェンド商法なのですが、なぜカウンタックは成立するのでしょう。1970年代に熱狂したスーパーカー少年たちに聞いてみたくもなりますが、結論からいえば、「スーパーカーはエンターテイメントである」というスタイルをランボルギーニはカウンタックで成立させたからに他なりません。
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エンジンを縦に置き、トランスミッションをそのエンジンの前方に組み合わせコンパクトさとマスの集中化を図ったカウンタックは、技術的に大きなブレークスルーを果たした中身はいたって真面目な先進的エンジニアリングの結晶です。しかし、好事魔多しというべきか、LP400Sでは顧客の要望から巨大なリアウイングとオーバーフェンダーをまとうことに。しかし、このスタイルがランボルギーニというブランドを確固たるものへと導いて行くのです。
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富裕層を顧客に持つラグジュアリーなスーパーブランド(自動車メーカー)は、じつは電動化にあたり、かなり腐心してその開発を行ってきました。例えばロールス・ロイスは事前にプロトタイプEVを作り顧客を招待。リサーチに余念がありません。現実問題、いまの状況ではEVの実用度は低いと認めざるを得ないのです。
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しかし、時代は急速に流れていますので、いずれは受け入れてもらわざるを得ません。その電動化へのアンバサダーとしてランボルギーニはキング・オブ・スーパーカーである”カウンタック”の助けを借りたのです。この役割はアヴェンタドールでは果たせません!
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皆さんも既にご承知のように『Lamborghini Countach LPI 800-4』はハイブリッドのパワーユニットをもちます。しかし、モーター出力は34hpといいますから基本的には伝統のV12エンジンがモノを言います。
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注目点はリチウムイオン電池ではなく『スーパーキャパシタ』を採用したことです。比較して同じ重量でも3倍の容量をもつ『スーパーキャパシタ』は、搭載スペースが限定されるスーパーカーにはまさにうってつけの特徴(特性)を備えているのです。
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レベルに差はあれ電動化が避けられないのは自動車の宿命です。電動化への拒否反応を防ぐ意味でも、たとえ限定的であったとしてもカウンタックの復活劇が果たした効果は想像以上に大きいはず。ランボルギーニって上手いな~と、深く感心させられた出来事でした。
Text:Seiichi Norishige