皆さんこんにちは。中年B、ノリシゲセイイチ(57)です。不本意ながらまたひとつ年を取ってしまいました。
王者カウンタックが降臨して半世紀。いまだ10代のスーパーカー少年の心に戻れるのはすべて“カウンタック”様のおかげです。ありがたや、ありがたや。
1971年ジュネーブショーで発表されたLP500
2021年5月27日。サンタガタボロネーゼのランボルギーニ社は「ランボルギーニのデザインDNAはカウンタックに端を発します」というリリースを発表しました。同年3月11日にはカウンタックのプロトタイプであるLP500誕生50年という節目の記念リリースを出していますので、同社にとっても神そのものなのでしょう。
脈々と受け継がれるランボルギーニのデザインDNA
生産型であるカウンタックLP400の誕生は1974年。記念すべき50周年まであと3年というカウントダウン状態。この先きっと、とてつもないスーパースポーツカーをランボルギーニは発表してくれるハズ。その瞬間を赤いちゃんちゃんこ着て迎えられるであろうワタシの人生も同時にスバラシイ!(たぶんね)
カウンタックの量産型プロトタイプであるLP400
さて、本題であるランボルギーニ・カウンタックのプロトタイプであるLP500ですが、このモデルは1971年のジュネーブショーで発表されました。当時のジュネーブショーは自動車メーカー各社がこぞって新作を発表していましたので、いわばトレンドの震源地状態。あのエンツォを唸らせたジャガーEタイプもこのジュネーブショーで発表されています。
職人が叩き出した造形が美し過ぎます!
プロトタイプであるLP500は、発表時点でまだカウンタックとは命名されていませんでした。ことの発端は、従来のフラッグシップであるミウラが、横置きにエンジンを搭載するために今後の発展が見込めず、その打開策として(運動性能を追求するために)車体に対し縦方向にエンジンを搭載する必要があったからです。
職人さんがチリチリ溶接したチューブラーフレームはまさに芸術
スーパーカー少年だったご同胞の皆様には耳タコですが、車名のLPは “Longitudinale Posteriore”の頭文字でミッドシップの縦置きエンジンを意味します。後半の数字はエンジンの排気量に由来します。
生涯眺めていられそうなLP500
端的にいえばパッケージ上のレイアウト変更なのですが、F1マシンを見てもエンジンはすべて縦方向に搭載されています。この地球上でスポーツ性能を追求すれば、このカタチになるのは必然なのでしょう。
冷却性能を高めるためエアダクトの造形を変更
掲載した画像は鮮やかなイエローのモデルがLP500(モノクロ画像を含む)、グリーンのモデルが量産型LP400の最終プロトタイプです。
量産プロトタイプだけに生産型LP400との違いがあります
ランボルギーニはミウラのエンジンを改良し、5リッターの排気量をもたせたかったのですが、発生する熱量の問題からこれを断念。4リッターの排気量を維持しながら、ショルダー部の空気取り入れ口を拡大し対策しました。
LP500をデザインした奇才マルチェロ・ガンディーニ
©︎gettyimages
デザイナーは継続してカロッツェリア・ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニ(1938年8月26日生まれ)が担当しました。前作ミウラを思う時、いったい何からインスピレーションを得たのか想像できません。ただ共通するのは美しい! ということだけ。
外板パネルまで極力内製されたカウンタック
©︎gettyimages
現在のスーパーカー相場、カウンタックに関していえば、初期モデルであるLP400が頂点を極めます(特別な車両を除く)。生産台数150台という希少性も多大に影響しますが、もっとも原型のデザインに近いというのも、魅了される要因ではないでしょうか。ちなみに最安値は最終モデルのアニバーサリー。
最終モデルのアニバーサリーはお買い得!?
この量産型LP400もプロトタイプであるLP500の前では、失礼ながら私には霞んで見えます。微妙なパネル造形など、そこにはやはり違いが存在しています。
オーバーフェンダーと大型スポイラーで大ブレークしたLP400S
スーパーカーの王者として今なお君臨するランボルギーニ・カウンタック。その進化の過程をギャラリー内でお楽しみください。それではまた!
Text:Seiichi Norishige