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FASHION 僕が捨てなかった服

【銘店アリストクラテコのベルト】30年メンテナンスなしでも綺麗すぎる逸品

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

洋品、車、ワインで、それぞれ家一軒分ほど散財するという趣味が高じて、2019年東京・人形町にヴィンテージショップ「Tango245」を開店した結城恵介さん。

膨大な数の服を所有してきた結城さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第7回目は、アリストクラテコのベルトです。

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このベルトは30年くらい前に、青山のセレクトショップのセールで購入しました。同店は大阪・南船場にあって、当時はかなり敷居が高く、セールなどもしていなかったと記憶しています。

遡って過去30年、スーツを着て、黒い靴を履いた日の約90%はこのベルトを締めてきたと思います。同じ靴やスーツ、シャツを週2回以上着ることはありませんので、名刺入れや財布、ペンなどを除くと、使用頻度は一番ですし、名刺入れや財布は30年も同じものを使ったことはありませんので、使用回数も一番のような気もします。

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また、約30年ですから体重変化も振り幅をもって移動しており、5つすべての穴に使用した痕跡が残り、使いこなしたという満足感?もあります。

この企画のお話を頂くまで気がついていませんでしたが、捨てなかったものという観点から、とりあえず長く使用したものが何かと考えた際に初めて認識した次第です。

自分でも気がついていないのですから、まったく手入れもせず約30年、今日まできております。

そんな過酷な使用下でも写真のように綺麗な状態を保っており、刻印もしっかり残っています。

なぜ気づかなかったのか? 今さらですが、それだけ優秀なものだったからだと思います。購入当初はともかく、大事に使ってきたという感覚はありませんし、やれてきたら交換しようと、ある意味消耗品感覚で使っていて、気がつかないうちに30年経ってしまっていたという。

この企画を頂かなければ、このまま気にもせず40年、50年と使い込んでいたのかもしれません。

大いに反省し、これまでの感謝を込めて、いつもメンテナンス関係でお世話になっているお店にアップチャージで渾身のメンテナンスをお願いしておきました。

はじめは敷居の高い、有名セレクトショップでのセールで出ていて喜んで買っただけなのですが、逸品とはこういうものかもしれません。このお話を頂けたことに感謝ですね。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

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結城恵介
ヴィンテージショップ、Tango245店主
DCブランドや英国物、イタリアンブランド、クラシコイタリア等の荒波にもまれながら、会社員時代、出張にかこつけてビスポーク、スミズーラを巡る旅に年数回出るまでに。その趣味が高じて2019年ヴィンテージショップを開店。欧州の銘品、逸品を販売する一方で、日本の若い職人と組んだ別注品も手掛け、海外展開を計画。散財額は、洋品、車、ワインそれぞれで 家一軒分? モットーは「迷ったら全部買う」



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