CAR ― Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

妄想は続くよ、どこまでも!

名車「パジェロ」の運命やいかに!?【三菱巨額赤字のウラ側】

2020.8.2 2020.8.2
2020.8.2
説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

ミツビシはマジでヤバイのか?

新聞各紙が大きく取り上げたのが三菱自動車の現状。どれどれと思い読み進めると、内容的には「コロナ禍で業績が悪化。名車パジェロを生産する象徴的工場を閉鎖する」というバッドニュース。

さらに読み進めると、同社はザックリ3600億円の赤字だとか。2020年も半期を終え各社とも定例株主総会を終えたタイミング。そりゃあ大騒ぎしますよね! と納得する反面、そういえば三菱自動車って4月末頃「メガバンクや政府系金融機関に総額3000億円の融資を打診」というニュースも流れていました。どういうことなんでしょう?

そもそも今のご時世、三菱自動車に限らずコロナ禍で自動車各社は赤字です。同社がアライアンスを組むルノーが約9000億円、日産が6700億円、3社合わせてドンブリ勘定2兆円かよ! というアンバイ。各車の事業規模を考えると、三菱自動車の金額は相応、ヤバいのはむしろルノーかなと……。

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パジェロは英国では「Shogun」の名で販売
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大企業といえどもキャッシュは大事。ワレワレ個人のフトコロと何ら変わりはありません。あのトヨタでさえ1兆の資金調達に動いたといいます。そんな折、さらに流れてきたニュースは、トヨタがVWを抑え6年振りに首位へ返り咲き! という大見出し。ムムっ! であります。

先にトヨタのトピックに触れると、定時株主総会で豊田章男社長は新型コロナウイルス流行を「リーマン・ショックを上回る危機」としながらも、コスト削減に取り組んできた結果、2021年3月期の同社グループの連結営業利益は「黒字を確保できる」と発言。

今年の3月は減収したようですが、「トヨタは確実に強くなった」ことをアピール。また別の役員は、「国内生産300万台は死守する」と強調し、現在の国内生産水準を維持する考えを示したといいます。

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ミツビシSUVの原点となったJeep CJ-3B
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さて、三菱自動車の件にハナシを戻すと、ワタシにはことさら大きく報道されているようにも感じます。同車は2000年代に入り、リコール隠しや燃費改ざん問題など、何かと定期的にネガティブな話題を提供。まさにニュースの宝庫状態が続いているのですが、アンタ反省しとるんか?って感情もあるんでしょうね。しかし、報道は必ずしも正義ではありません。

同社の決算報告を見ると2018年は黒字です。2019年は売り上げそのものはやや減少という感じですが、研究開発費が大幅に増え赤字に。そこへコロナですから大赤字になるのはやむを得ません。パジェロの工場は閉鎖を決めましたが、前後して小型EV用の新規工場を建設することをアナウンス。小型EVやPHEVの量産をいち早く成し遂げた同社ならではの決断かと思います。

三菱自動車に対し、ワタシのようなクルマ好きのオッサンが願うのは“ランエボとパジェロの復活”です。ランサー・エボリューションはランチア撤退後の90年代WRCを席巻。市販車も大変スパルタンであり、また最終型は上質感さえ漂うプレミアム・スポーツに成長。レースカーのレプリカ的存在を脱したじつにいいクルマだったと思います。

SUVブームも手伝ってパジェロは売れに売れましたね。最多月販記録は9,000台オーバー。この数字はまさに金字塔であり、時代のモテ車であったことを物語ります。そんなパジェロもモデル毎に「肥大化=売れない」を最大要因とする論調もありますが、ワタシはそうは思いません。

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大ヒットした2代目パジェロ
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【三菱パジェロ 世代別ボディサイズ(5ドア)】
1st(1982.4) 全長4,590×全幅1,680×全高1,875mm
2nd(1991.1) 全長4,650×全幅1,785×全高1,870mm
3rd(1999.9) 全長4,770×全幅1,895×全高1,855mm
4th(2006.10) 全長4,900×全幅1,875×全高1,870mm

ご参考までに数字を出しましたが、コレって時代の流れですよね。三菱自動車は大きくなったパジェロの代わりに、パジェロ・イオという初代モデルサイズの新規モデルを追加しました。VWでいえば大きくなったゴルフに対し、ポロを追加した感じでしょうか。その内容はともかく、サイズ感でいえば穴埋めはできているのです。

そんなことより、ワタシが危惧したのはクルマの中身です。

まずは以下の動画をご覧ください。

■カイエンターボ登場!! SUV BATTLE #2【Best MOTORing】2007

 

登場する車種は初代ポルシェ・カイエンターボ、マツダCX-7、トヨタ・ハリアー、4thパジェロと少々懐かしい感じですが、ポルシェSUV、FFプラットフォームで造れる乗用車的SUVが2車、タフネスSUVという構図がとても興味深い動画となっています。

そもそもパジェロはメルセデスのGクラスやジープのラングラー同様、ラダーフレームをもつサバイバル系SUVで販売台数が落ちるのは至極当然。3rdモデルでビルトインフレーム式セミモノコックに構造変更したものの、数が見込めない上に、プラットフォームを共有できる車種もないとなれば、必然的に何らかの決断に迫られます。

ワタシはかつて初代パジェロに関わったエンジニアの方にお会いする機会を得ましたが、大変マジメでこだわりの強い方でした。また、別の機会に若手エンジニアの方に次期型パジェロ候補のリアルなデザイン画を見せていただいたのですが、現行型レンジローバーのようなカッコよさで感動したのを覚えています。なぜコレが発売されなかったのか? いまでも残念かつ不思議でなりません。

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2019年に生産中止となった最終型の限定モデル
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自動車会社は大きな組織です。よって、各セクションを最適化できないと縦割り行政のようにうまく機能しません。コレをモチベーション高く機能させるには名指揮者が必要です。しかし、その肝心のタクトはいま異国レバノンにあり3社ともども火のクルマ。中国から甘美なささやきがないことを祈るばかりです。

いずれにせよ、現状の三菱自動車が取れる戦略は少なく、限られた予算と人員を集中するしか策はないと思われます。温かい目で見守りましょう、頑張れミツビシ!

というワケで今回、皆さんはどのような感想をおもちになったでしょうか。様々にご意見はあろうと思いますが失礼の段はお許しを。それではまたお会いしましょう。

Text:Seiichi Norishige

なぜ?なぜ?クルマづくり調査団

■パジェロ「The Spirit of PAJERO」篇

 

Author profile

教重 誠一
教重 誠一
Norishige Seiichi

自動車雑誌の編集者を経てモータージャーナリストへ。駆け出しの頃からサラリーマンの限界に挑戦し数々の輸入車を乗りまわす。印象深かった愛車はポルシェ911(930)、Ruf CRo
コンバージョン(964)、メルセデス・ベンツ500E、フェラーリ412、BMW6シリーズ、RG500Γ(バイク)。趣味はシガーとパイプとすし屋巡り。ジャンルを問わず酒好きだが、一定以上飲むと睡魔が襲い銘柄を失念する。1964年、北海道生まれ。

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