旅先で動き回れる機能性も兼ね備えた、頼れるアイテムばかりです
世の中が自粛ムードのなか「旅スタイル」なんて言ったら怒られそうですが、コロナが収束したら、思いっきりお洒落して出掛けたい、愛する人とまた美味しいものを食べに行きたい。そんな気持ちでコーディネイトを考えてみました。
セーターとパンツは、僕が国内の地方メーカーと取り組んでいるブランド。「日本から世界に」「地方を元気に!」を合言葉に進めてきたプロジェクトです。
アイテム
ブルゾン/ムーレー
セーター/30/70
Tシャツ/クロスクローゼット
パンツ/K-3B
サングラス/レイバン
時計/ブライトリング
靴/WH
ムーレーというと、ラグジュアリーなダウンコートのイメージが強いかもしれませんが、実は春夏シーズンも秀逸なアイテムの宝庫。こちらのヴァルスター型ブルゾンは、去年の春に銀座店に立ち寄ったときに発見して買ったものです。
昔からこのデザインには目がなくて、本家ヴァルスターの正統派モデルも何着も着倒してきたうえ、スエード素材でオーダーしたこともあるほど。スタンドカラーやパッチ&フラップポケットなど、陸軍航空隊の「A-1」フライトジャケットを彷彿させるディテールも、ミリタリー好きな僕の心を鷲掴みにしている理由かもしれません。
ちなみにこれ、モデル名を「カルロス」といいます。何が気に入ったかというと、襟が高いので胸元を開けて着ると小顔に見えるし、軽くてストレッチが利いていて すこぶる動きやすい! しかも、撥水性があって少しぐらいの雨なら平気だし、シワになりにくいからクルクル丸めて旅先に持って行くのも便利なんです。ネイビーとオリーブグリーンのどちらにしようか迷った結果、どんな服にも合わせやすいネイビーに決めました。
インナーに合わせたのは、30/70(トレンタセッタンタ)のニットの試作品。こちらは新潟県にある第一ニットマーケティングが海外進出に向けたプロジェクトとして立ち上げたブランドで、デビューは2020年秋冬。つまり、まだ市場には出回っていません。僕がお手伝いさせていただいている関係で、いま着心地などをチェックしている最中なんです。
ブランド名の30/70は、独自素材のシルク30%、カシミア70%の配合率に由来。なめらかな肌触りでありながら耐久性があり、自宅で洗濯ができてシワになりにくいなど、上質なデイリーウェアとしての機能をすべて備えています。色はブラックオンリーというのもポリシー。メンズ、ウィメンズ両方展開する予定なので、皆さん楽しみにしていてくださいね。
で、パンツは石川県にあるKAJIF(カジフ)という合繊生地で世界的に知られるメーカーの新ブランド、K-3Bのもの。こちらも僕がディレクターを務めさせていただいていており、多用途、時短、そして全天候など、どんな場面にも適応する超合理的ビジネスユニフォームをコンセプトにしています。
ジャケット1型に対してボトムスは数型から選べるなど、シーンに合わせて自由にコーディネイトできるのですが、こちらもブラック1色展開なので、あれこれ組み合わせを考えなくていいのがポイント。
素材は、数多の有名ラグジュアリーブランドから引っ張りダコなメーカーだけあって、ナイロンといえども高級感があり、これまた快適なストレッチ性、雨にも強い撥水性などの機能を備えています。さらに全品ポケッタブル仕様というのも、旅の多い僕のライフスタイルを反映させています。僕がここで穿いているのは、ウエストにドローストリングスを配したスラックスモデルです。
靴はいつも愛用しているWHなので注釈は割愛するとして、このコーディネイトは軽快でいて、ストレッチ性や撥水性、シワになりにくい、あるいはメインテナンスが簡単といった、旅先で便利な機能を重視して選びました。
制約がある旅先でのコーディネイトで便利ということは、日常使いにはもっと便利ということ。飛行機の中でこのまま眠れて、目的地に着いたらすぐに行動できる。ダークカラーの組み合わせも、出かける前にコーディネイトを悩まずに済み、時短につながります。
行動を制限されることなく、アクティブに動き回れるスタイルは、僕にとって男の理想ともいえる007シリーズのジェームズ・ボンドそのもの。いつでも、どこにでも現れて、颯爽と仕事をする俊敏性やタフネスさって、セクシーに映ると思うのです。
全世界に蔓延する新型コロナウイルスの影響で、最新作の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開は秋へとずれ込んでしまいましたが、ダニエル・クレイグがボンド引退を表明している今作は絶対に見逃せません。とはいえ、アクティブになれないこの状況なので、シリーズ全作品を見直して、妄想をマックスに高めておくしかありませんね。
いち早くコロナが収束することを願い、 #STAYHOME #お家にいよう
今回のスタイルのキモは……。
● ミリタリーウェアが原型のデザインは定番の安心感がある。
● 軽くて、伸縮性がある、は春夏シーズンには必須。
● 旅先で重宝するのは、撥水性とシワになりにくい機能。
● 全身をダークカラーでまとめた時短コーディネイト。
● いまは、お家にいよう。
Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
6冊目の書籍が発売しています。洋服から、ジュエリー、腕時計、ライフスタイルまで。僕が日頃から愛する大人の男女におすすめしたいブランドの逸品について書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が愛する
「究極のブランド100+5」(日本文芸社)
5冊目は、1冊目の書籍の内容を改稿し、本質的な服装術を知らない新社会人から肩書きを持つ大人まで使える身に纏う処世術について書いています。読んでない方はぜひ!
世界のビジネスエリートは知っている
「お洒落の本質」(集英社文庫)
4冊目の本では、女性のエロサバなスタイルについてまとめています。女性はもちろん、男性が読んでも面白いのでぜひ。奥様にもすすめてくださいね。
干場義雅が語る
「女性のお洒落」
(ディスカバートゥエンティワン)
3冊目の書籍は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでいない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
(日本文芸社)
2冊目の書籍は、色気についてです。 普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでいない方はぜひ!
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
(宝島社)
1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでいない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
(PHP出版)
【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。