一切の無駄を排したミニマルなコート
第242回は、コモリのコートです。
ボタン留めではなく「Tie Rock=紐で留める」から名付けられた、タイロッケンコート。1895年に英国メゾンブランドが軍将校用として作ったことに端を発し、後の第一次世界大戦の時にトレンチコートへ派生する、いわばトレンチのルーツです。トレンチが主流になってからは身を潜めていたましたが、近年のミニマルブームに伴って、タイロッケンコートが再注目されています。その火付け役が、2011年創業のジャパンブランド「コモリ」です。
ブランド初期からリリースを続け、「タイロッケンと言えばコモリ」と言われるほど。定番のコットンギャバジンボディのこちらは、コットンキュプラの裏地を配した、今頃の季節にぴったりなアイテム。程良くオーバーサイズで落ち感のあるシルエットですが、ベルト留め仕様なので今どきなゆるいモードからタイトなスタイリングまで幅広く調節が可能です。
過度な装飾の一切を排したコモリのタイロッケンは、普段使いだけでなくビジネスシーンでも幅広く合わせられる、汎用性の高さも魅力であります。
創業当時から続く、シックな佇まいにしてオーバーサイズのカジュアルシャツ。細番手の双糸で丁寧に織り上げ、敢えてムラを作った生地が特徴です。独特な風合いの生地感が一枚でも存在感を醸し出す一方で、ドレスシーンにおけるインナーとしても活躍必至。
ミリタリーオーバーパンツをベースに、ユーズド感のある生地を採用したミドルオンスのデニム。腿からゆったりとテーパードをかけ、センタークリースを施すことで、無骨ながらもどこか上品さを感じさせるデザインが魅力です。付属のベルトで調節可能。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
【問い合わせ】
ワグ インク
03-5791-1501
https://www.comoli.jp/