今日あるリブブルゾンの原型がこれです
第227回目は、ヴァルスターのヴァルスタリーノです。
寒くもあり、暖かくもある。半端な季節を迎えた今日この頃。そんな時は、やっぱり春のライトアウターが欲しくなります。となれば、候補に挙がるのはイギリス発バラクータのG9と、イタリア発ヴァルスターのヴァルスタリーノでしょう。
ゴルフウェアが出自となる前者に対して、後者はドライビングジャケットが出自。とはいえ、リブ襟とボタンフライ、そしてフラップ付きの大型ポケットというデザインは、アメリカ軍の夏季用フライトジャケットA-1と共通するため、どことなくミリタリーな武骨さを感じます。
1911年創業のヴァルスターが、現在に続く名作ヴァルスタリーノを生み出したのが1935年。A-1の採用年数がそれ以前のため、リブブルゾンの原型はA-1とする向きもありますが、一般的にファッションとしてそのデザインを確立させたのはヴァルスタリーノと言って差し支えないでしょう。
そんなミリタリーな雰囲気が漂うヴァルスタリーノですが、英国フォックスブラザーズ製のチェック柄ツイードも展開。大人が着るブルゾンとして鉄板中の鉄板アイテムだけに、春・秋・冬用と3着買っても損はありませんよ。
これから春に向けては、こんな爽やかな一着がお役立ち。生地はコットン×ポリウレタン。さらりとした肌触りと、ストレッチ素材による柔らかな着心地が快適です。落ち着いた色合いが、スポーティさを程よく抑制してくれるのも、大人には嬉しいですよね。
こちらはゴートスエード製。キメの細かい起毛感が上質さを示してくれます。柔らかなゴートスエードは、まだ肌寒い春先に活躍。ミリタリーに由縁のあるデザインですが、ボタンもリブもネイビーのワントーンでまとめることで、都会的な洗練顔で着こなすことができます。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
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