どんな進化も勝てない、元祖の魅力
第181回目は、シエラデザインズのロクヨン・マウンテンパーカです。
ザ・ノース・フェイス然り、昨今盛り上がるアウトドアスタイル。 なかでも、街着を意識したアーバンアウトドアスタイルの提案が、このところ目につきます。街着としてのアウトドアウェアに求められるのは、やはりオーバースペック感がないこと。その点、クラシックなシエラデザインズのロクヨン・マウンテンパーカは、今まさしくといった存在ではないでしょうか。
シエラデザインズの創業は、1965年のアメリカ・カリフォルニア州。バックパッキング用品を製造する会社としてスタートし、1968年にオリジナルロクヨン・マウンテンパーカを誕生させます。ロクヨンとは60/40のことで、横糸にコットン60%、縦糸にナイロン40%からなるファブリックを意味します。この混紡率によって、乾いた状態では通気性を確保し、雨に濡れるとコットンが膨張し適度な撥水性を得るという、当時画期的な撥水性能を実現。
つまり、防水透湿ファブリックの先駆けってところです。現在でも、同ファブリックはアメリカ生産を頑なに守っており、100%ナイロン製にはないクラシックな風合いを偏愛し続ける人も多数存在。名品企画における常連中の常連です。
登場以来、多くをそのままに残したデザインも、もちろん見どころ。現在でも、クラシックスタイルのマウンテンパーカにおけるベンチマークして、その存在感を示し続けています。
ちなみに、最近話題の新型ジムニーの登録車モデルはジムニー・シエラと呼ばれていますが、実は1995年頃にシエラデザインズとの限定コラボ車が販売されていたって、知ってました?
ベーシックモデルと同様に、アメリカ製のロクヨン生地&アメリカ生産されるマウンテンパーカのショートタイプ。左胸のポケットはジップポケットに変更され、チンガードやマップポケットをなくすことで、よりアーバンスタイルに合わせやすくなっています。
マウンテンパーカと同じロクヨン生地を採用したタコマコートII。シンプル&ベーシックなステンカラータイプで、ビジネスコートとしても愛用できます。現在はインシュレーションタイプも展開するなど、クラシックを踏襲しつつもアップデートを重ねています。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
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