今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi
「違和感もスパイスになる」。だからメガネは面白い!
「ヨーロッパでの仕事用のメガネを新調したくて、行きたい店があるんです」と、今回は鳥居直樹さんからオファーがあり、東京・青山の骨董通りにあるメガネブランド「EYEVAN(アイヴァン)7285」の旗艦店『EYEVAN 7285 TOKYO』へ。
鳥居さんが求めるメガネは、“グローバルで重要な会議に出席するので、初対面の人にも受け入れてもらいやすい印象を作るメガネ”と言う。

欲しいのは、グローバルスタンダードのシルバーフレーム
鳥居さんに「アイヴァン 7285」を指名した理由を尋ねると、昨年10月に訪れた日本橋の『コンティニュエ日本橋』で掛けた「10 eyevan(テン アイヴァン)」の最新作のツーポイントが印象に残っているという。「とてもミニマルな構造やこだわったディテールの話をデザイナーの中川さんから直接聞き、掛け心地も非常に軽く快適だったので、強く印象に残っていました。ビジネス用に一本欲しいなと思っていました」と振り返る。
その話を聞いて『EYEVAN 7285 TOKYO』の牧野弘生店長は、「アイヴァン 7285の製品は、一見シンプルなデザインが多いですが、細部は非常に技巧的で、福井県鯖江市の熟練した眼鏡職人の手作業と最新機械によるマシンメイドにより、約400工程もの作業を経て完成します。今回は、鳥居さんが希望する“ヨーロッパでの会議の場で映えるシルバーフレーム”をご紹介します」と話す。
鳥居 アイヴァン 7285のメガネはヨーロッパでも販売していますか。
牧野 はい。特にフランスは保険でメガネが買えるので、パリには眼鏡屋が多く、アイヴァン 7285の取扱店も多いですね。テン アイヴァンも販売されています。「ヨーロッパで見て、日本に買いに来た」というヨーロッパからのお客さまも多くいらっしゃいます。
鳥居 アイヴァン 7285のどういう点が評価されていますか。
牧野 やはり、日本の眼鏡職人さんの魂がこもっているのが伝わってくる品質とデザインですね。手作業による工程が多くを占めるので、掛けてみると外国の方にも伝わるようです。

すんなり馴染むより、良い違和感があったほうが愛着が沸く
鳥居 今回はビジネス用のメガネが欲しくて来ましたが、これだけシルバーフレームのバリエーションがあると、悩ましいですね(笑)。
牧野 縁(リム)あり、なし、ハーフリム、リムレスのツーポイントなど、デザインバリエーションも豊富に揃っています。鳥居さんのお望みのメガネは必ずあると思います。
鳥居 選ぶときの着目点はありますか。
牧野 デザインはお好みですが、たとえば素材では、テン アイヴァンの新作ツーポイントフレーム「No.6」は、シルバー、ホワイトゴールド、オールドゴールド、イエローゴールドの4つからお選びいただけます。

「テン アイヴァン」No.6 II 各7万円(税抜)
鳥居 実際に掛けてみると、素材によってまったく顔の印象が変わってきますね。
牧野 リムの太さやレンズの形状などでも印象が変わります。フラットレンズだと光り方が変わるので、ぜひお試しください。
鳥居 どれを掛けてみても顔馴染みが良いですね。
牧野 鳥居さんはビジネス用をお探しですが、すんなり顔に馴染むより、“良い違和感”があったほうが愛着が沸くこともあります。
鳥居 なるほど。メガネ選びは難しいけど楽しいですね。

鳥居セレクトの5本。どれが一番「美しい道具」になるか
アイヴァン 7285の最新作158は、柔らかい線を持ったスクエア(四角)型。70年代のヴィンテージウォッチの特徴な外枠“TVスクリーンケース”にインスパイアされたデザインで、断面が三角形に近い紡錘形を描く「ポインテッドリム」のフレーム。クリップオンをプラスするとサングラスにもできるのはメガネ派にうれしいポイントだ。縦幅をやや抑えた長方形が印象的な表情を作る。

「アイヴァン 7285」158 3万8000円(税抜)
一見シンプルながら細部での妥協を許さない、テン アイヴァンならではのディテールが美しいリムウェイ方式のツーポイントフレーム「No.6 II」のホワイトゴールド。少ない力でしっかり締められるネジを独自開発したことにより、リムからテンプル(つる)につながるメガネの両端部分の智(ヨロイ)のボックスの厚みを薄く抑えることに成功。貝殻製の鼻パッドやネジなど、よく見ていくと工芸品のような雰囲気を放つ。

「テン アイヴァン」No.6 II 7万円(税抜)
アイヴァン 7285の151は、シートメタルを切削とプレスにより、リム線のように見せるという新しい手法を採用したメガネ。正面から見たときに上下の厚みを変えることで、新しい表情を見せる。切り返しのライン入りのテンプルは、銅とステンレスを使った日本製工具からインスパイアされている。

「アイヴァン 7285」151 4万8000円(税抜)
テン アイヴァンのベストセラーモデル「No.2」は、柔らかなヘキサゴン(六角形)シルエットのメタルフレーム。テンプルエンドにバランサーを兼ねたチタンよりも重いシルバー925のエンドチップを採用し、掛け心地を向上させるなど、シンプルなデザインに精緻なセンスと思いが込められている。

「テン アイヴァン」No.2 6万4000円(税抜)
ブランド初のツーポイントモデルに新しいレンズシェイプを採用したアイヴァン 7285の直営店限定モデル155。レンズを横から支えるためのツカミと呼ばれるパーツとブリッジを一体化させたリムレスフレームで、ヴィンテージ風ながら現代の技術を凝縮。リムレスらしく表情をすっきりと仕上げる。

「アイヴァン 7285」直営店限定モデル 155 4万5000円(税抜)
格好良いイメージか、柔らかいイメージか!?
自ら選んだメガネと、牧野店長推薦の5本を掛けてみて、「どれもシルバーのアクセサリーのようですね」と鳥居さん。そして悩みに悩んで選んだのは、3本目に掛けたアイヴァン 7285の151。
牧野 選んだ5本は、格好良いイメージで見せるか、柔らかいイメージを加えるかで分かれますね。
鳥居 確かにそうですね。「個性を出すか、優しさを演出するか」ということですね。本当に悩みましたが、今回はビジネス用で、初対面の人でも信頼を勝ち取るためのメガネなので、柔らかい印象のものを選びました。
牧野 目的をきちんと持って選ばれるとブレが少ないので、お気に入りの一本になってくれます。


鳥居 この連載をやってきて、世の中には本当にいろんなメガネがあることを知りました。そして、「掛けてみないとわからない」のもよくわかりました。ただ、選ぶときに「これは自分に似合うのか?」という心理的な障壁が大きいのも事実です。自分で手に取るメガネは限られるので、店員さんに相談することが重要なのがよくわかりました。
牧野 どうしても今掛けているもの、持っているメガネやサングラスと似たものを選ばれるので、ぜひアドバイスを参考にしてください。「似合わない」という先入観なしに、メガネ選びを楽しんでほしいですね。
鳥居 フォルツァの読者のビジネスマンも、年齢的にコンタクトよりメガネの選択肢が増えていると思います。気に入ったモノを身につけることで仕事に対するモチベーションも上がるので、メガネ選びも楽しみたいですね。フォルツァ世代は“自分へのご褒美”といえばまずは腕時計になると思います。時計ももちろんいいですが、より人目に付くメガネに投資するというのも、とてもいいと思います。

【問い合わせ】
EYEVAN 7285 TOKYO
東京都港区南青山5-16-2 1F
03-3409-7285
営業:11:00~20:00
定休日:火曜日













Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii
Edit:Ryutaro Yanaka
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